JIBUNマガジン 文京区

2017年07月号 vol.24

【子育て】ハイジが飛び出してくるログハウス?!ハーブの庭がある子育てサロン・シャレースイスミニ

2017年07月03日 23:05 by inaba_yoko
2017年07月03日 23:05 by inaba_yoko
 
 子育てサロンや親子のひろばのような、地域の乳幼児の親子がゆっくり集える場が増えてきている。だが都内で、庭園つきの子育てサロンは数少ないのではないだろうか。
 

 JR西日暮里駅と日暮里駅へと続く山手線内側の高台、諏訪台に、「サロン・シャレースイスミニ」はある。門を潜るとさまざまなハーブでいっぱいのガーデン、そしてガーデンに囲まれてスイス様式のログハウスがある。庭園の小径には何台かの豆自動車、建物のバルコニーには手作りのブランコや木馬がある。
 建物の中に入ると、普段は来客の飲食スペースになっている場所が、遊んだり昼寝をしたり、親同士がくつろいだりするスペースに。二階建ての壁、床、階段、手すり、カウンターすべてが木製である。遊具も木や布のぬくもりのある素材でできている。いただいたチラシにあるように、まさに、「ハイジがとびだしてくるようなログハウス」だ。

 
 訪問させていただいた6月19日は、都内の最高気温28度、真夏日まではいかないにしても、下の商店街は太陽が照りつけ、かなり暑い日だった。アイスハーブティーを注文すると、スタッフの相浦成美さんが、ハーブ園からお茶に向いたハーブを選んで淹れてくれた。時折、台地にゆえにこその、涼しい風も渉ってくる。
 

 ここは普段はカフェだが、月曜は10時から15時まで、1Fのスペースを乳幼児とその保護者の集うサロンとして開放している。マネージャーは綱島久実子さん。2人のお子さんのお母さんだ。
 カフェの「シャレースイスミニ」は、久実子さんのご両親が、スイスから日本にご家族のお仕事の都合で移ってきて、1998年2月に開いた。今年で19年目になる。開店当時から、季節の花々が飾られ、遊具がたくさんあった。赤ちゃんから高齢者まで来店してほしいとの願いからだ。
 

 そのカフェに久実子さんが子育てサロン「サロン・シャレースイスミニ」を開いたいきさつや、活動内容をマネージャーの久実子さんと、スタッフのお1人、海老原佳春さんに伺う。
 久実子さんは日本で子ども時代を過ごし、その後ブラジルで長男を出産。異文化の中で頼れる人もなかった。日本に戻って、2人目の長女出産の折は、子育ての体制を整えたいと思った。おもちゃなど育児用品に不足がないようにし、また、外での遊び場をちゃんと考えた。しかし、実際、公園に行ってみると誰もいなくていつも2人きり。そんな日々が続く。


 ある日のこと、久実子さんは公園で「コドモ・ワカモノまちing」の人たちに声を掛けられる。そこで、「まち全体が子どもの居場所になる」という話を聞いているうちに、大変だと思っていた子育てに対する気持ちがとても楽になった。その時、乳幼児の親子には、いつでも来られる場所、だれでも来ていい場所が必要だと気付く。そんな場所があったらと思ったとき、「シャレースイスミニ」のことが心に浮かんだ。ここに人がきてくれたらなぁ。
 

 それから久実子さんは、周りの親子に声を掛けて、カフェで個人的にサロンを開いてきた。今から2年前のことだ。しかし、個人的にやっているのでは、広報もできないし、なかなか広がっていかない。
 そこで、サロン活動をもう少し広く人に知ってもらい、有効にしていくため、荒川区の社会福祉協議会に相談をもちかける。どういうことをやりたいのか、意見を出し合って、荒川区の社会福祉協議会おもちゃ図書館子育て交流サロンの出張サロンとして、カフェとは別に「サロン・シャレースイスミニ」を発足させた。

 運営はマネージャーの久実子さんの他に、スタッフは5名、常に2~3名がシフトでさまざまな業務にあたっている。今年の4月からスタートし、0才から3才のこどもと大人がいつも10組くらいやってくる。広い庭をともだちとかけまわったり、豆自動車で走りまわったり、ブランコをこいだり。この日はブランコが人気だった。おやつやお弁当を食べるカフェスペースもあり、すべて利用料は無料。
 

 3カ月近くたった今、サロンを開いてよかったと思うことをお2人に伺った。久実子さんも佳春さんも、声をそろえて言う。「ほんとうにやってよかったです。」「子育ての拠点として、こういうサロンのニーズがあることが確認できた。大きい子もいっしょに遊び回る場では、小さい子どもたちは動きにくくなる。来てくださったみなさんに喜んでいただいているのがとても嬉しいです。」また、「もっと多くのみなさんに、この場のことをお知らせしたい」とも。

 サロンの中で、イベントもおこなわれている。「おはなし会」「わらべうた」「季節のハーブティ」「季
節の手仕事(材料費は自費)」など。この7月10日は、10時半より、斎藤絹枝さんによる「わらべうた」があり、参加者を募っている。ご興味のあるかたは、ぜひ参加してみてください。(稲葉洋子)
 

住  所:〒116-0013 荒川区西日暮里3-3-12(シャレースイスミニ)
開設日時:毎週月曜10:00から15:00まで
※おひるごはんタイム11:30~12:30

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