JIBUNマガジン 文京区

2017年07月号 vol.24

【子ども】「好き」が見つかる放課後に/地域にひらいた学童保育めざすこどもtoiro

2017年07月11日 00:14 by Takako-Oikawa
2017年07月11日 00:14 by Takako-Oikawa
 
 
 様々な体験をすることで、子ども自身が好きなことを見つけて欲しい――そんな思いを込めて、体験型アフタースクール「こどもtoiro」が2017年4月、文京区小石川4丁目にオープンした。代表の杉山仁美さんは「体験を通じて、子どもの可能性を広げたい。地域との交流もしていきたい」と話す。
 

 建物のオーナーは生まれも育ちも文京区で、美術系の仕事をしており、所有地の一部を「地域に役立つ施設としたい」と考えたことから、学童保育で働いた経験もある杉山さんと共に、子育て世代と子どもを支援する「習い事が受講できる学童保育」を立ち上げた。コンセプトなども検討しながら、上階は住居で1階部分に防音の多目的室やキッチンを備えたスペースを整備した。「オーナーの母はもともと人が好きで、家に招くのも好きな方だった。そういう精神を引き継ぎたいと考えた」という。


 こどもtoiroのコンセプトは、「こどもが『好き』をみつける放課後」。十人十色の大人たちが、それぞれの経験をもって十人十色のこどもたちを育てる場所、を掲げている。「私自身、子ども時代にもっといろんな体験をしていたら選ぶ道も違ったかな、と思うことがある。自分で好きなことが見つけられるように、様々な体験プログラムを提供したい」と杉山さん。ピアノ、英語、ダンス、そろばん、書道、アート、サイエンスと、まさに十色のプログラムを用意している。


 防音の多目的室は無垢の木の床で、ギャラリーにも使えるような照明になっているほか、壁面を開けると1面がガラス張りになるため、ダンスなどにも適している。いずれ地域のイベントなどに貸すことも検討しているという。小さ目の防音室にはピアノがあり、レッスンや自習室として使える。壁面は黒板になっており、「チョークで絵を描いたり、子どもたちに人気です」。キッチンがあるので、おやつは手作り。一緒につくる機会や、食育イベントも企画している。


 1階裏手はウッドデッキになっており、さまざまなハーブ類やブルーベリーなど実のなる植物が植えられている。「子どもたちが長い時間を過ごすので、植物に触れてゆったりできるようにするなど、過ごしやすさを重視して一から設計しました」。また、屋上菜園もあり、トウモロコシやナス、トマトなどが植えられている。小石川植物園やスカイツリーまでも望める快適な空間だ。

 
 週1回から利用可能で、プログラムを習い事のみの利用や、時間単位のとしてスポット利用をすることもできる。夏休みは様々な体験プログラムを企画しているという。詳細はサイトで。

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