JIBUNマガジン 文京区

2015年12月号 vol.5

【まち】デザインを通じて60年、小石川の「アルス」がA・cornsギャラリーで特別展

2015年12月01日 23:45 by Takako-Oikawa
2015年12月01日 23:45 by Takako-Oikawa
 
 
  おや、お馬さんのお尻がガラスに? こんにゃくえんま(源覚寺)の裏手、建設中のマンションを左手に見ながら小さな曲がり坂を上ると、株式会社アルス(小石川2-21-5)の建物が現れる。1階には「A・corns(エーコーンズ)ギャラリー」が併設されており、創立60周年を迎えたことから、12月18日まで、創立記念特別展「屋根裏部屋の記憶展」が開かれている。

 
 百貨店や店舗の什器から空間まで、総合的にデザインを長年手がけてきた。戦後の1955(昭和30)年、まだ当時なかった「芸術性のあるマネキン」をコンセプトに、マネキンの製作から始まったという。それからディスプレイの道具・器具の製作も始め、ウィンドウディスプレイ空間、店舗空間、と事業が広がっていったようだ。
  
 創業2年後には都内主要百貨店と取引を始め、6年後にヨーロッパ視察に行き、ディスプレイやディスプレイ用の演具、店舗設計企画などを次々に手がけるようになった。パルテノン神殿を模した柱などヨーロッパ風のディスプレイ用造形物は、先駆的な取り組みだったという。高度成長真っ盛りの1964年に小石川(現在の「東横イン後楽園文京区役所前」の場所)に本社ビルを構えた。

 
 店や売り場の空間デザインだけでなく、アミューズメント施設やイルミネーションなどにも携わってきた。特別展では、年表や写真がずらり。ヨーロッパ風オーナメントや動物たちも並ぶ。重そうに見えるが、多くがFRP(繊維強化プラスチック)製なので軽い。

 
 
 一角には、おもしろいアイデアを形にしていく開発商品の新作の展示コーナーも。紙や革をくしゃくしゃっとした瞬間を切り取ったように見える造形物や、立方体をたくさん合わせたような造形などが並ぶ。存在感の大きい赤いサイには、乗ることもできる。

 
 
 玄関先の馬のお尻と対になった前半身も会場に展示されている。実はこれ、インテリアアクセサリーとして販売もされている「ハーフ・ア・ホース」という商品だ。A・cornsのサイトで販売されている。
 ギャラリーは2010年に開設され、外部アーティストの展示会にも使われている(審査制)。オープンしているのは平日の10時から17時までだ。詳細はサイトで確認を。

 

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