JIBUNマガジン 文京区

2015年12月号 vol.5

イクメンと呼ばないで~男37歳、ただいま育休中(4)路上喫煙が気になる秋/道具をそろえ料理修業を開始!田村一樹

2015年12月02日 00:00 by Takako-Oikawa
2015年12月02日 00:00 by Takako-Oikawa
 人生でいちばん紅葉を眺めた秋だったかもしれません。
3カ月を迎えた息子とほぼ毎日、散歩に出かけています。公園に連れていくと、息子は目をまん丸にして頭上に広がる木の枝と葉っぱを眺めます。緑色だったもみじがだんだん赤くなっていきました。
 息子のお気に入りの場所は、広大な敷地に緑が多い東大の本郷キャンパス。2時間ほどの散歩から帰ってきても疲れた様子はなく、にっこり笑っています。


 息子と出かけるようになって、すごく気になりだしたことがあります。路上や公園内での喫煙です。大通りの交差点にたばこ屋があり(この周囲は条例の禁煙エリアから外れています)、前に置かれた灰皿でいつも誰かがたばこを吸っています。信号待ちで立ち止まると煙たいので、息子を連れているときはそこを避けます。近所の公園は禁煙になっていて、先日初めて区の指導員が巡回しているのを見ました。それでもときどき、たばこを吸っている人がいます。
 願わくば、きれいな空気の中を散歩したいものです。

 さて、今回は、育休中の料理について書くことにします。
 息子が生まれるまでは、平日は仕事で帰りが遅く、夕食はほとんど外食でした。たまに料理していましたが、あくまで自己流。炒め物やカレー、冬場は鍋物に頼りがちでした。育休に入った当初、豆腐がもはや原形をとどめていない麻婆豆腐や、一片が大きすぎる豪快な大根サラダに、妻は「なにこれ?」とあきれたのでした。
「育休を取れば料理は上達するよ」。育休に入る前、会社の育休経験者(男性)から言われました。腕を上げなければ、と本腰を入れることにしました。

 キホンのキから身につけようと、料理本を買いました。『料理のきほん練習帳』(小田真規子著、高橋書店)。オーソドックスな家庭料理の詳しいレシピに加え、食材の切り方、はかり方、下ごしらえの仕方が写真入りで解説されていて、初心者にはありがたい一冊です。
 まずは料理本おすすめの道具を買いそろえたくなりました。すでに家にあるものもありましたが、妻を説得し、計量スプーンに計量カップ、スケール、ほうろうのバット、先にナイロン樹脂がほどこされたトング、揚げ物用のオイルポットを新しく買いました。そして、妻が「がんばってね」とばかりにかっこいいエプロンをプレゼントしてくれました。
 食材は、毎日スーパーに買いにいくのは大変なので、生協を利用することにしました。
 
(育休中に買いそろえた品々。ゴム手袋は手荒れ防止に重宝している) 

 夕方6時ごろから息子をお風呂に入れ、妻が風呂上がりに母乳をあげると、息子はほぼ眠りに落ちます。そこから夕食の準備です。
お米を炊飯器にセットした後、料理スタート。炒め物、カレー、鍋物は極力避け、「○○の素」も今はNGです。レシピを見ながら悪戦苦闘、一汁と二、三菜用意するのに1時間とか2時間かかってしまいます。妻には「これだけ作るのにどれだけかかってるの」とチクリと言われることも。完成品を見て自分でも、なんでこんなにかかったんだろ、と自己嫌悪におちいることがあります。
それでも、定番の家庭料理が食卓に並ぶと、ちょっとした感動を覚えます。前述の育休経験者が「レシピって本当にすばらしいよ」と言っていたのを思い出します。
これまでに作ったものは、肉じゃが、から揚げ、カキフライ、麻婆豆腐、さばの味噌煮、金目鯛の煮付け、ぶり大根、えびチリ、豚肉のしょうが焼き、ハンバーグ、餃子、ポテトサラダ、などなど。寝ている息子の様子を気にしながら、妻と夕食を楽しんでいます。
 胃袋が満たされると、朝早いだけにかなりの睡魔におそわれるのですが、もうひとがんばり。洗い物をやって、エプロンを外して一日が終わります。

 料理って奥深いです。妻だけに任せるのはもったいない、と思うのは、時間にゆとりのある今だけでしょうか。一生つづけていければ理想なのですが。

 話が育児から離れてしまったようですが、離れてはいません。
 私はもちろん母乳をあげることはできませんが、妻の毎日の食事を通して息子の成長に少しは貢献しているかな、と思っています。


==========
【筆者】
田村一樹(たむら・かずき)
1978年生まれ、福井県出身。会社員。2014年に文京区に転居。同区に住むのは学生時代以来12年ぶり

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