JIBUNマガジン

2021年01月号 vol.66

築120年近い土蔵が見守る井上公園/井上哲次郎宅跡として東京都史跡にも

2021年01月17日 00:19 by Takako-Oikawa

 小石川3丁目のダイエー裏、善光寺坂を登らず右奥の坂を上がった住宅街の一角に、ひっそりと井上公園(小石川3-20)はある。この通りはPDC(プロフェッショナルダンスセンター)や熊川哲也氏が主宰するKバレエスクール本校があるため、「舞姫通り」とも呼ばれている。スクールに通うシニヨンヘア(おだんごヘア)の女の子が行きかう通りを歩いていくと、古い土蔵が2棟現れる。そこを過ぎれば、公園の入り口だ。

 2014年に従来の井上児童遊園をリニューアルして井上公園と改称したそうだ。安政江戸地震の年(1955年)に生まれ、明治、大正を生き、昭和19(1944)年に没した哲学者井上哲次郎の旧宅があった場所だ。井上哲次郎はここに明治25(1892)年から亡くなるまで52年間暮らした。東京都史跡にもなっている。

 2棟残っている土蔵は柵で囲われているが、入り口に近い方は明治36(1903)年に建てられ、かの世界遺産富岡製糸場と同じ木骨レンガ造りの2階建て。木造の骨組みにレンガの壁を積み並べている。奥の土蔵は大正8(1919)年に建てられた鉄筋コンクリート2階建て。大正12(1923)年の関東大震災や戦災で周辺家屋は焼失したのに、書庫として使っていた土蔵は壊れず、焼けず、残った。「防災建築史上からも貴重」と、文京区が設置した看板には書かれている。

公園内はブランコやすべり台などの遊具があり、子どもたちの遊び場になっている。大きなタイサンボクやアオギリが植えられ、奥は築山のように少し盛り上がったところがあり、そこにもハゼノキの大木がある。庭だったところだろうか。ハゼノキの周りをぐるりと上って下る道があり、小さい子にはプチ坂道の上り下りが楽しいかもしれない。

遠くに高層マンションやビルを望む高台の公園。歴史の重みを感じさせる築約120年と約100年という重厚な土蔵に見守られ、おだやかであたたかな空気が流れている。(敬)

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