JIBUNマガジン 文京区

2019年09月号 vol.50

文京区初のクラフトビールを飲んでみた!/ブリューイングパブ「クラフトビール グランズー」

2019年09月06日 00:08 by inaba_yoko
2019年09月06日 00:08 by inaba_yoko

 4月のJIBUNマガジンで、桜で桃色に染まる神田川のほとりの3階建てのビール醸造所にて、文京初のクラフトビールで「まちづくり」をめざす「カンパイ!ブルーイング」の荒井祥郎さんの記事が載った。夏には醸造されたビールがそのまま下のパブで飲めるようになると聞いて、楽しみにしていた。

 夏の風物詩、ビール。もう夏も終わりだが、仲間と連れだって「ブリューイングパブ クラフトビール グランズー」を訪れた。緑の色濃い神田川のほとりにあり、川に面した扉が一面の透明ガラスで涼しげだ。

 

 テーブルについて、まずはメニューを見せてもらう。文京区の坂道にまつわるビールを造ると聞いていた。その通り、坂道の名前のついたビールが並ぶ。

 この日のビアメニューだ。上階では醸造に1カ月ほどかかるので、メニューも1カ月ほどで変わる。店長の横田典行さんとアルバイトの田口瑛美さんが、忙しく動き回るところを捕まえてはいろいろ質問。メニューの上から下へ行くほど重くなるという。「%」はアルコール度数、「IBU」はビールの苦み数値、「SRM」は色の濃さの数値を表す。たとえば、「暗闇坂スタウト」の「SRM」数値は36.8で他のビールよりダントツ大きい、なぜなら黒ビールだから。納得。

 特徴を聞く。「おぼろの坂 WIT ベルジャンウイット」はオレンジピールとコリアンダーシード(パクチーの種)が入っていてフルーティーな味。「目白坂ペールエール2nd」はスタンダードな白ビール。ビール好きに人気がある。「夏目坂エール」は目白坂ペールエールが苦みを増した感じで、こちらもビール好きに人気。「暗闇坂スタウト」はドライな感じの黒ビールで水のように飲める。「幽霊坂銭形ヘイジーIPA」はインディアペールエール種で重い飲み口だけどフルーティー。若い人に人気。アルコールは高め。

※右端は「おぼろの坂」ではなく「天神坂 梅ウィート」

 同行者の感想も、「リンゴジュースみたい!」「ライトなのが嬉しい!」「黒ビールなのにあっさりしている!」「渋みのあるワインみたいだ」。などなど、かなり好評。

 横田さんは、渋谷と神楽坂のワインダイニング「ズーガンズー」も経営しているという。「クラフトビール グランズー」を経営することになったのは、この物件のオーナーでもあり、2Fと3Fでビールを造っている荒井さんから、「パブ」を経営しないかという言葉に、「やります!」と即答してのことだという。

 ビールのことも、ワインのことも、質問すればなんでも答えてくれて、安心してメニューを選べる。田口さんもビールがどんどん好きになってきたそうだ。「好きなビールのことが勉強できて、ここでバイトしてよかった」

 お店の売りは? 「なんといってもブリューイングに直結したビールが飲めることですね」と横田さん。

 お客さんの反応は? 「クラフトビールを飲みたいというビール好きのお客さんも来るし、地元の人しか知らない飲み屋、という感覚を持つ人も集まってくるんです。坂の名前でお客さん同士が盛り上がるのも楽しそうですね」

 たまたまパブに降りてきていた「カンパイ!ブルーイング」の荒井さんは言う。「この店は入口を川のほうに向けてます。今はこの向きの店は一軒しかないけど、このお店にお客さんが賑やかに集まることで、他にも次々といろいろなお店が出て、賑やかになると良いと思っています」。

 店長の好みでおすすめのビールは、「幽霊坂銭形ヘイジー」。ビールにあうフードはカンガルーの串カツ。そうそう、この店は実はカンガルーやワニの肉が食べられる。あっさりとして美味しい。オーストラリアでは害獣扱いされ、食べて減らすという考え方があるそうだ。特定の輸入業者から仕入れており、広めたいという。

 田口さんは、私たちが店を出るとき、表まで見送りにきてくれて、「ぜひ、また来てください。また新しいビールが出ていると思いますよ」。みなリピーターになること間違いなしだ。(稲葉洋子)

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