JIBUNマガジン

2019年04月号 vol.45

文京区初のクラフトビール誕生!ビールでまちづくりをめざす「カンパイ!ブルーイング」

2019年04月04日 01:20 by Takako-Oikawa

 文京区で醸造される文京区初のクラフトビール(地ビール)がまもなく誕生する(税法上は発泡酒区分)。満開の桜で桃色に染まる神田川のほとり。木の壁が目を引く細い3階建ての建物がビール醸造所だとは誰も思わないかもしれない。文京区関口1丁目の「カンパイ!ブルーイング」。4月2日に酒類製造免許を取得し、2階と3階で本格的にビール醸造を始める。5~6月ごろには第1号のクラフトビールが1階のバーで飲めそうだ。

 ビールづくりを始めたのは荒井祥郎さん。元は都市計画やまちづくりに携わる会社員だった。住所的には新宿区に住んでいるが、以前から神田川の桜並木をこよなく愛し、「こんなきれいな場所をなんとか生かしたい」と考えていたという。「もともと印刷工場などが多く神田川に背を向ける形でまちが形成されてきた。産業転換が進んで住宅も増えつつあり、今は素晴らしい桜並木も育ち、ポテンシャルがあるのにもったいないと思った」。ちょうど神田川の桜並木に面した場所が空いていたので、「人のにぎわいをつくれる場を」と考えたそうだ。「ビールづくりを通してまちづくりをしたいと思ったのです」

 ビールでまちづくり?

 「米国やヨーロッパではビール醸造所がまちのにぎわいの核になっている。日本にもその文化が入ってきている」。会社員時代は、都市計画やまちづくりを大きなスケールで手がけてきたため、なかなか思うようにいかない部分も多く、実現までの時間もかかった。「もっと地に足をつけてやりたいと思った。そこでまずは大好きなビールをつくろうと」

 1994年の酒造法改正により、小規模事業者も醸造ができるようになり、全国に地ビールブームが起こったが、次第に淘汰され、いったんは下火になった。ところが最近、伝統的な醸造方法にとらわれず、より自由に、より創造的に、より想いを込めてビールを小規模に醸造するクラフトビールのブームがアメリカで起こり、日本にも波及してきた。「地ビール」ではなく「クラフトビール」と呼ばれるようになり、ここ1、2年で次々と小さな醸造所が誕生している。

 そんな一つで、埼玉県志木市に2018年3月にできたSHIKI BEERに、荒井さんは立ち上げ期からかかわって、半年ほど通い詰めてビールづくりを学んだ。その後、神田川のほとりの建物3階に麦汁をつくる設備を整え、2階に発酵用の300リットルのタンク4本と冷蔵室を設置し、準備を進めてきた。1階は別経営だがバーがオープンする予定で、できたてのクラフトビールを提供。ほかにも近隣のバーなどで販売していきたいという。

 つくり始めてからできるまで約1カ月はかかる。「手作りなので、品質の高いもの、季節感のあるものをつくりたい。本当は文京区で生産される何かを使いたいが、あまりなくて」と荒井さん。文京区の坂道マップを入手して、「坂道にまつわるビールとか、文京区や近隣の地域にちなんだビールをつくってみたい」と話していた。文京区産のクラフトビールで乾杯できるのは、初夏のころになりそうだ。(敬)

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