JIBUNマガジン

2018年08月号 vol.37

まちのみんなでわいわい食べる「坂下おかえりごはん」で元気に

2018年08月04日 11:45 by Takako-Oikawa

 「大人1人、子ども2人です」「じゃあこちらへお名前を」

 千駄木の狭い路地を入った町会の施設、坂下会館に、夜6時過ぎから次々「お客さん」がやってくる。子どもが1人でも来られる「坂下おかえりごはん」。大人は300円、子どもは無料。「これ、使ってください」と米10キロを差し入れる人もいる。「利用者からも応援してもらっている。つながりが求められているのかな」と、主宰する地域ネット坂下代表の菅完治さんは言う。

 坂下会館は、千駄木三丁目北町会と、千駄木三丁目南部町会が共有する町会会館。町会活動以外に、何か活用しようという話が数年前に出て、「今はやりの子ども食堂をやってみよう、というノリで始まった」という。視察にと向かった先が板橋区高島平の地域リビングプラスワンの「おかえりごはん」。活動に共鳴し、了承を得て名称も借りることにし、「坂下おかえりごはん」は2016年6月に始まった。以来ほぼ月2回開き続けており、今年2018年6月までに45回、延べ2100名が利用した。

 「9割は親子で、子どもだけで来るケースもある。8割方常連で、2割は常連の知り合い。口コミで広がっている」とのこと。最近は1日にボランティア含め80人近く来ることもあり、大にぎわいだ。「お母さんたちも必死で、やめないでね、月2回楽しみだ、とやってくる。週末は疲れてイライラして当たり散らすことがあるという声も聞く。300円で心の平穏が得られるなら」と菅さん。親が忙しくて帰りが遅く、子どもだけで過ごさなければならない家庭、夫の帰りが遅く、いつも母子だけで食べている家庭など、「孤食」の広がりを感じるという。

 食事づくりのボランティアは午後4時にやってきて調理や配膳の手伝いをする。常時8人~16人もやってくる。最初は町会関係者だけだったが、こども食堂ネットワークに加盟しているので、ホームページ経由で手伝いたいと言ってくる人が多くなった。地元の高校の生徒が2~3人、いつもボランティアに来る。大手保険会社の社員が部署単位で毎週手伝いに来るという幸運も。給食調理経験のある町会の男性を中心にメニューを考えている。

 訪れた日のメニューはホイコーロー。文京区内の表町町会から手作りみその差し入れがあったので、給食調理経験のある町会の男性が中心になってメニューを考えた。ハプニングもあったが、手際よく調理、配膳がすすむ。食器は、表参道で営んでいたカフェバーを閉じた菅さんの知人から譲り受けたものだそうで、なんともおしゃれ。

 「必要とする人がいることがわかったので、これからも続けていきたい」と菅さん。ボランティアにとっても、地域とのつながりを持つ場となっているようだった。(敬)

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