JIBUNマガジン 文京区

2024年01月号 vol.102

「うちにあがって食べてきな」。気軽に寄れる「動坂テラス」運営の馬場玲子さん、カラオケ店もオープン

2024年01月15日 23:22 by Takako-Oikawa
2024年01月15日 23:22 by Takako-Oikawa

千駄木と本駒込の境を通る道を不忍通りに下る動坂。下りきる手前の路地にあるのが、「動坂テラス」だ。文京区社会福祉協議会の支援のもと、千駄木3丁目の「坂下テラス」と共に、みんなが立ち寄れる「心のオアシス」として地域にひらかれた場となっている。

動坂テラスは、運営する馬場玲子さんの自宅でもある。倉庫だった1階を改装してカフェをやっていたが、コロナ前の2019年3月に子ども食堂を始めたことがきっかけで、人の輪が広がり、2021年4月に居場所としてオープンした。「おせっかいだった亡き母の血を受け継いだのかも」と馬場さんは言う。「母は昔から人に食べさせるのが好きだった。隣にあった寮の男の子たちを2階の窓越しにこっそり家に入れてご飯を食べさせたりしていた。同じ釜の飯を食べたらうちの子だ、って」

祖父が町会の役員だったことなどから、料理好きの母は町会の会合や祭りの仕出し料理を担うようになった。その母が病気になってからは、馬場さんが代わりに料理を作るようになった。人に「子ども食堂をやってみたら」と言われて始めたのが、現在月1回開催している「動坂ごはん」の源流となっている。

動坂テラスはこじんまりとしたスペースで、月~水は13時~17時、木~土は10時~17時「みんなのフリースペース」として開いており、100円(子どもは無料)で誰でも気軽に利用できる。金曜夜は「学びスペース」として寺子屋に。そのほか絵本を語り合う会や朗読サロン、まちの保健室などのサロンやイベントが開かれている。

「私自身もよその家にあがりこんだものだけど、今の子どもたちは、人の家にあがってはいけないものと思い込んでいる。子どもたちの縛りをはずしたい」と馬場さん。家の鍵を忘れた子が立ち寄ることもある。「何かあったら助けてと言えるように、気軽にあがれるようにしておきたい。誰かがそばにいる方が安心なはず」

学校や家庭、社会の中で「やってはいけない」禁止事項に囲まれる子どもたちには、「それでいいよ、と言ってもらえる場が必要」。寺子屋でも、「教えるのではなく、寄り添うことが大事。逆に教えてもらってますよ」。馬場さんの子どもはまだ小さいので、中高生に「反抗期って何が起きるの?」と聞けば、「うちはトイレ壊しました」といった具体例が返ってくる。「クソババアって言うの?」「言う」「じゃああんたはクソガキだね」。口は悪いが子どもとは対等だ。節分に手巻きずしを作ったら「おいしかった」「楽しかった」と言ってくれる。「食を通した楽しい思い出ができれば」

近所の不忍通り沿いにあったカラオケ店がやめると聞いて、居抜きで借りることになった。町会や老人会がよく使っていたほか、地域の親子が誕生会などで子連れで使っていた店だ。「この店が閉まるとカラオケは根津までいかないと歌えない」との声もあり、オーナーからやってみないかと声を掛けられたことや、六本木でショーをやっている夫の仕事場にもなると考えた。

「DSJ~動坂~」として2023年12月にオープン。現在のところは完全予約制で、カラオケ大会や貸し切りもできる。ランチやカフェ、バー、子どもの預かり、ワークショップなど、キッチンのあるレンタルスペースとしての貸し出しや、チャレンジショップとしての利用も可能だ。「地域のいろんな人に使ってもらえるよう、活用法を考えていきたい」という。(敬)

動坂テラス(本駒込4-21-7)DSJ動坂(本駒込4-42-5)

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