JIBUNマガジン 文京区

2024年01月号 vol.102

川の流れのようにゆったりと/2024七福神巡り②「隅田川七福神」

2024年01月16日 21:49 by inaba_yoko
2024年01月16日 21:49 by inaba_yoko

川沿いのコースは旅情豊かな道行になるに違いない…とは思うのだが、ここ数日の寒さもあり、川風がどれくらい冷たいのか、二の足を踏む。台東区側に住む友人が勧めてくれたコース、ほかの仲間からも「よいコースですよ」と聞いたので、決行することにした。それでも出立が遅くなり、スカイツリー駅に着いたのは、午後2時を過ぎたころ。

ツリーの建設が始まったころ、たまたま用事で当時の業平橋駅を降り立った時、10階建てのビルの高さくらいできていただろうか、「頑丈な金網のビルが建つのだなぁ、面白い建物だ」と思いながら、近くの古いお煎餅屋さんに、「スカイツリーって、どこに建つのですか」と聞くと「ほら、そこの金網みたいなのだよ」と。心で赤面して「そうですか。では、このあたりはこれから発展しますね」とそしらぬ顔で言ってみると「とんでもない。ツリーのまわりだけいろいろ建つらしいけど、この通りは手をつけないの」とおじいちゃんが残念そうな表情。今回、そのお煎餅屋さんをのぞいて見たら、立派な店に変身していた。「おじいちゃん、よかったね」と呟きながら店の前を通る。スカイツリー本当に高くなったな。とにかく六三四だから。

さて、いよいよ七福神巡り、1番目は、三囲(みめぐり)神社に向かう。駅からはかなり遠く、吾妻橋を抜ける風は冷たくてひるむ。隅田川の支流、源森川を渡り、言問橋方面へ。墨田区側から言問橋を渡る手前に、見番通りがあり、その道を入ってしばらくいくと、三囲神社はある。隅田川は高い堤防がめぐらされているので、風は意外と吹き曝しではない。

神社の境内は広い。下谷七福神は狭い神社が多かったが、さすがに川沿いの道。心もゆったり。

境内には、三井家とのつながりで、旧三越池袋店のライオン像が置かれていたりする。ここの七福神は、恵比寿天と大黒天。わりと参拝する人は多くみられる。

この辺りはたくさんの名所旧跡があるのだが、それはまた後日に。三囲神社から見番通り沿いに歩いて、淡島寒月旧居跡もある弘福寺に向かう。見番通りに、「向島墨堤組合見番」を見つけ急にこの道を歩く芸妓さんの姿を想像しているうちに、弘福寺に着くが、大きなお寺だ。川にとても近いので、堤防がなければ川が見えるのに、と勝手なことを思う。ここに祀られているのは布袋尊。

さて、次の長命寺は弘福寺に隣接している。川の側に茶店があり、堤防があるから川は見えないが、ここの座席から川を見たら、旅気分満載だなあと、また勝手なことを思う。江戸時代の旅人は、ひと休みしながら長命寺の柏餅もちや言問団子に舌鼓を打ったのだろうなあ。長命寺に祀られているのは、弁財天だ。

次は、見番通りを離れ、墨堤通りを進む。目指すは白髭神社。見番通りと違いこの通りは、倉庫のような大きな建物が並び、人通りも少なくちょっと寂しい。自転車の少年が急ぎ目に、徒歩の私を追い越していく。白髭神社にはかなりの距離だ。徒歩25分くらい。近づくと、お団子だの吉備餅だの和菓子のお店がちらほら。

白髭神社の入口に辿り着いたころには、もう日暮れが迫っていた。急いで、寿老神のご本尊を探すが、どこにもそれらしきものがない。片づけを始めていた、巫女さんに聞いて見ると、「ここにはご本尊がないので、神社全体が寿老神なのです」とのことだ。なるほど。

さて、ここで日が暮れてしまう。風が強く、冷たくなってきた。向島百花園は閉まってしまった。百花園と多門寺は翌日に回ることに。ごりやくはどうなるかわからないのだが。

翌日、千代田線と東武線を使い、順番が変わってしまうが鐘ヶ淵駅から徒歩で先に多聞寺へ。道は工場なども多いが、寺の近くには昔ながらの2階建てくらいの家が並び、お年寄りがたくさん住むまちという雰囲気だ。多聞寺はそれほど広くはないが、ゆったりとした雰囲気。毘沙門天が祀られている。

最後は、東武線で東向島を降り、向島百花園へ。園内には、松尾芭蕉をはじめ、たくさんの歌人や俳人などの句碑がたちならぶ。福禄寿が祀ってあるお堂は、扉が閉まっていた。受付で聞くと、福禄寿のお堂は都ではなく、「墨田七福会」が管理し、売店もやりながら、スタンプなど提供しているという。残念ながら、お堂の扉が開くのは1月8日までとのこと。

ここで、隅田川七福神を全部巡ったことになる。隅田川七福神は、船で巡ることもできる。寒い時期はちょっと躊躇われるが、桜の季節なら、気持ちがよいだろうなあ。ご利益がどうなのかわからないがぜひお試しあれ。(稲葉洋子)

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