JIBUNマガジン 文京区

2024年01月号 vol.102

根岸~三ノ輪、歩けばいつものまちが見知らぬまちに/2024七福神巡り①「下谷七福神」

2024年01月16日 18:03 by inaba_yoko
2024年01月16日 18:03 by inaba_yoko

「七福神巡り」といえば、谷中七福神(過去記事参照)がよく知られているのか、毎年1月になると、毎日のように七福神巡りツアーらしきグループが旗を持って歩いているのに出会う。七福神というのは都内だけでも西から東までたくさんあり、小石川七福神もある(過去記事参照)。今回は「下谷七福神」。台東区根岸~三ノ輪に向かうコースを歩いてみた。

この七福神は街中の寺社が多く、どこもあまり大きくない。根津から言問通りを上ろうと思ったが、高所は寒いので、JR鶯谷駅北口から根岸の里へ。根岸は古い歴史を持つ地域で見どころもあるのだがそれまた別の見聞録で。

まずは、駅から目の前に見える「元三島神社」(台東区根岸1-7-11)へ。いつもは駅に止まる電車の窓から眺める神社だが、神社から駅がどう見えるのか。石段をあがったら社殿の廊下のガラス越しだが確かに駅が見える。ここに祀られているのは「寿老神」。長寿延命、富貴長寿の神だ。

元三島神社も、次の「入谷鬼子母神」(台東区下谷1-12-16)のあたりも周りは食べ物屋さんが多く、ほかにも和菓子屋や小売店、小さな問屋などがひしめき、熱気にあふれる。どの神社も狭く庭はないが、地域の人が頻繁に参拝している様子が感じ取れる。日常的に商売繁盛、家族円満、健康などを祈願しているのではないだろうか。入谷鬼子母神は毎年7月に「入谷朝顔まつり」が開かれることで有名で、その時は通りは人であふれる。祀られている「福禄寿」は招徳人望の神様と言われる。

次は、言問通りを渡り、昭和通りに出る手前にある「英信寺」(台東区下谷2-5-14)へ。ここには「三面大黒天」、財宝、福徳開運の神様がいらっしゃる。そのすぐ近くの「法昌寺」(台東区下谷2-10-6)には、唯一武将の姿の「毘沙門天」は邪鬼を踏みつけている。融通招福の神として信仰されている。

法昌寺には、「たこ地蔵」があるが、これは、由利徹(コメディアン)、赤塚不二夫(漫画家)、外波山文明(演出家)、立松和平(小説家)らの呼びかけで、元プロボクサー、コメディアンのたこ八郎を偲んで作ったもの。日本中の茶の間を笑いの渦に巻き込み、人気絶頂の最中、「迷惑かけてありがとう」という名言を遺し、メイワクかけることもなく、「ぽっくり」海へ帰って行ったことを偲んで昭和60年に建てられたという。

そこから昭和通りに出て、弁天院のある「朝日弁財天」(台東区竜泉1-15-9)へ。児童遊園と隣接していて、仕切りがないので神社の持物かもしれない。小さな池があり大きな錦鯉が泳いでいる。遊具で遊んだり、池の鯉を眺めたり、大勢の親子が遊んでいた。町会の役員が集まって立ち話をする姿も。ちなみに、「弁財天」は、知恵財宝、愛嬌縁結びの徳があるといわれている。

6番目に訪れたのは「恵比寿神」が祀られる「飛不動」(台東区竜泉3-11-11)。昭和通りから国際通りに向かい、さらに狭い道に入ったところにあるのだが、私のような方向音痴は迷子になりやすい。だれでも知っている鷲(おおとり)神社や一葉記念館が近くにあるので、それを目印になんとか辿り着く。吉原も近く、つい樋口一葉の「たけくらべ」の場面が浮かんできたりする。ここにも大きなクループで参拝に訪れている人たちに会う。恵比寿神は商売繁盛の神様として信仰が厚い。だからなのか神社も繁盛していた。

最後に向かったのは、三ノ輪の「寿永寺」(台東区三ノ輪1-22-15)。祀られているのは「布袋尊」だ。台東区立東泉小学校の向かい側にある。ここにも池があり、赤や黒の大きな鯉がゆうゆうと泳いでいた。布袋尊は笑門来福、夫婦円満、子宝の神といわれる。

全コース約1時間半~2時間。下谷のあたりは、よく自転車で抜ける道。知り尽くしていると思ったが、改めて神社やお寺を求めて歩いてみると、まるで見知らぬまちを旅しているようだった。根岸からスタートして三ノ輪に出て、いつもの「洋服の青山」の看板が高いビルの最上階に見えたとき、現実に戻った。足の疲れを取るため、いつもの天然酵母のパン屋「むぎわらい」の喫茶室で酵素炭酸ジュースを飲んでから、都バスで帰路についた。

七福神を参拝すると七つの災難が除かれ、七つの幸福が授かると言われる。叶いますように。(稲葉洋子)

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