JIBUNマガジン 文京区

2020年03月号 vol.56

「うちに来ればみそ汁あるよ」。豆腐店併設の子どもの居場所「しゅうちゃんち」

2020年03月17日 22:29 by Takako-Oikawa
2020年03月17日 22:29 by Takako-Oikawa

 「うちに来ればみそ汁あるよ」。毎日開いていてふらりと行ける。そんな場所をめざして、小日向3丁目の小林久間吉(くまくち)豆腐店の4代目、小林秀一さんが店の裏手に「しゅうちゃんち」を開いた。引き戸一枚で店とつながっており、店を開けている19時半ごろまで、子どもが1人でも遊びに来られるような場にするという。

 小林豆腐店は100年続く老舗豆腐店。国産大豆を使い、有名ホテルにも卸している。秀一さんの経歴は異色だ。少年時代に天文学者を夢見、プロボクサーにあこがれた。大学で地球惑星科学を学び、卒業後家業を継いだあと、ボクシングジムに通ってプロボクサーデビュー。32歳で引退した。

 2児のパパとなった今、定期的に店の屋上で天体観測会を開いている。そうするなかで、集まった親子とおしゃべりできたら、トイレも欲しい、ついでにご飯も食べられたら・・・と構想が膨らんでいった。妻の玲子さんは場所を借りて子ども食堂を主宰しており、家でできたらいいな、とも思っていた。

 店の近所のマンション住まいだったが、2019年秋、店の2階に引っ越すことになり、リフォームを敢行。1階店舗奥の台所と居間や風呂があった場所にキッチンをつくり、営業許可を取って食事の提供やお惣菜を店で売ることができるようにした。

 妻の子ども食堂に協力するなかで、飲食店や食品メーカーなどから食材の寄付を受けることが増えた。豆腐作りで出るおからを使ったおからコロッケやおからサラダといったメニューも妻と共に開発している。ボランティアで手伝いに来てくれる人もいる。「子ども食堂をやっている日に子どもたちが参加しにくるのではなく、毎日やってる、行けば必ず食べられる、というのがいい」。まだ場を開いたばかりなので、そこまでに至らないが、「毎日の子ども食堂」をめざしているという。(敬)

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