JIBUNマガジン 文京区

2017年06月号 vol.23

【まち】ご縁をつなぐ場「東京ENGAWA」オープン/古いビルをリノベして活用

2017年06月03日 14:29 by Takako-Oikawa
2017年06月03日 14:29 by Takako-Oikawa
 
 
 白山通りと春日通りが交差する春日町交差点のそばにある4階建てのビル。屋上からは文京シビックセンターや東京ドームシティ―のジェットコースターが望める。このビルがこのほど、人と人のご縁をつなぐシェアスペース「東京ENGAWA」として生まれ変わった。2020年までの期間限定だが、壁を塗るなど自分たちでできるところはDIYで仕上げ、10日までクラウドファンディングで資金集めもしている。発起人の1人である山田浩司さんは「面白いイベントをやって地域の人ともつながりたい」と話している。

 
 築30年以上の古いビルで、もとは写真店だった。ウェブ関連の会社を営む山田さんの友人がたまたまオーナーで、一緒に酒を飲んだとき、「3年しか使えないが、それまでの間活用するいいアイデアはないか」と相談された。外国人用の宿泊施設という案もあったが、インターネット関連の事業をやっている山田さんは、ネット空間だけのつながりは温かみがない気がすると感じており、「人がつながれる場があるといいな」と考え、自らやってしまおうと一念発起したそうだ。


 山田さんは学生時代から起業していたが、外資系コンサルタント会社を経て再び起業、様々な新規事業立ち上げにかかわってきた。人脈も豊富なので、友人のコピーライターやアートディレクターに「東京ENGAWA」の名称やロゴを考えてもらい、デザイナーに内装のアドバイスをしてもらった。「ばあちゃんちの縁側みたいに、気軽にふらっと寄れる場にしたい」と山田さん。


 1階はガラス張りで、白山通りを行き交う人が「何だろう」と思わずのぞきこんでしまうフリースペースに。奥には写真スタジオがある。2階は大小2つの会議スペース。3階はキッチンがあるパーティースペースで、4階はオフィスだ。「お菓子づくりが趣味など、何かやりたい人のテストマーケティングや、地方の特産物のテスト販売なども考えられる。実際、福岡のお茶の試飲会の話も来ている」という。5月はイラストレーターの個展を開催した。
 

 写真スタジオで就活生向けのプロフィール写真を撮ったらどうだろうか。2階では本を出した友人の出版記念セミナーや講演会をやろう。3階では料理教室やホームパーティー、4階のオフィススペースは企業したての人に・・・なにしろ後楽園駅徒歩1分の好立地なので、アイデアは膨らむ。
 

 圧巻は屋上スペース。白山通りの車の往来を見下ろし、ラクーアの観覧車、丸ノ内線や総武線まで見渡せて爽快だ。5月の連休中にあったご近所へのお披露目会では、来た人が歓声を上げていた。
 
 
 しかし、古いビルなだけに、改装費が予想以上にかかった。なにしろ、エアコンを各階につけ直すだけで200万円。そこで6月10日までの予定でクラウドファンディングを実施中だ。反響は大きく、すでに目標額を超えた。都心の一等地に突如出現したまちの「縁側」。山田さんは「地域の町会などともつながっていけたら」と話している。

本郷文京区本郷4-16-6

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