JIBUNマガジン 文京区

2020年08月号 vol.61

本郷のビルに東京の木をはろう/文京区木質化プロジェクト第一弾

2020年08月16日 23:37 by Takako-Oikawa
2020年08月16日 23:37 by Takako-Oikawa

文京区を木材であふれるまちにしよう――そんなコンセプトを掲げ、本郷3丁目のカフェの壁や外装に東京産の木材をはるDIYワークショップが7月にあった。企画したのは東京山の上大学「森と木と暮らしゼミ」。中心になっている区内在住の建築家海田修平さんは「木材を扱う建築をやっている人間として、森と暮らしをつなげる活動をしたいと思った。文京区では小学校の内装に木材を使うといった事例はあるけれど、お店とか人目につく場所を木質化していきたい」と話す。

東京山の上大学は、「東京・山手線の上半分あたりの街の活性化と、何かをはじめる人を応援する市民大学」。ゼミは関心のあるテーマで集まった仲間が研究や討論、発表をする場で、お金や食、本などさまざまな分野のゼミが立ち上がっている。森と木と暮らしゼミではオンライン会議などをやってきたが、「座学や見学会だけでなく、何かプロジェクトをやりたい」と話し合っていたところ、メンバーの1人が事務所に木をはりたいと言い出し、それならば文京区のまちを木質化していこうという方向性が打ち出されたという。そんな折、本郷3丁目のビルをカフェに改装し、自由にしていい、という話が舞い込み、第一弾となった。

ゼミメンバーの1人に大工さんがおり、あきるの市の製材所から端材をもらってきた。木材は丸いが、実際柱などに使う場合は四角い角材にするため、製材するときに半円形の端材が出る。通常は割りばしやチップに加工されるか、薪として譲られる場合もあるという。ちょうど立派なヒノキ材があったといい、メンバーが車を出してもらいに行った。

ワークショップは、まずは木肌部分をきれいにするところから始めた。材は皮をはいだだけなので、丸太のような表情がある。そこを生かして「森から伐り出された木そのものを感じる」方針だ。材を接着剤で壁にはりつけ、ビスで止める。細かいサイズは電動のこぎりで切って調整。木材を壁にはっていく作業はあっという間だった。

たまたま前を通りかかった親子が、飛び入り参加していた。「息子が参加したいというので、一度通り過ぎたんですが戻ってきました。リフォームイベントとか好きで、よく参加しているんです」と母。中学生の息子は「自分に握力がなくてびっくりした。図工とか結構好きで」と話し、材に接着剤をつける作業などに精を出していた。

カフェは、学校や社会になじめない若者を応援する活動をしているNPO法人サンカクシャが運営し、8月から「DAISY BEANS」という名でプレオープン中。クラウドファンディングを実施しており、9月に本格オープンだという。(敬)

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