JIBUNマガジン

2021年05月号 vol.70

その子の思いに寄り添い伴走/遊びとアートと学習支援の場「Woods」

2021年05月17日 13:47 by Takako-Oikawa

「わたし、ピカソだから」「おー、すごいねー」

木の板にカラフルな絵の具を塗りながら、スタッフと会話する小学生。年輪がきれいな木の幹や枝を輪切りにした板に、色を塗ったり、葉っぱをはりつけたり。オリジナルネームプレートづくりのワークショップは子どもや親子がそれぞれ思い思いに自分を表現しながらネームプレートづくりに取り組んでいた。

主催したのは文京区白山に拠点を置く「Woods」。子ども支援にかかわってきた保育士の金木悠(かねきはるか)さんと児童指導員で教員免許を持つ勝二由衣(しょうじゆい)さんが2020年3月に立ち上げた。コロナ禍で思うように動けないでいるが、自然やアートとふれあえるワークショップと、少人数を対象に丁寧にかかわる学習支援を柱に活動を始めた。

金木さんはもともと、子ども向けのミュージカルなどで音響の仕事をしていたが、切り捨てられがちなエンターテイメントの業界よりも直接支援できる保育の現場へと方向転換。保育園や児童養護施設、障害児の施設などで働き、自分がやりたい保育は何かを模索してきた。大学の同級生である勝二さんも、様々な業種で働く中で、子ども時代から適切な支援があったら人の可能性は広がると考えるようになり、子どもの発達支援の現場に携わってきた。

金木さん(右)と勝二さん

2人は卒業後も連絡を取り合い、同じような考えを持ちながら歩んでいたので、「いつか2人で子ども支援にかかわることをやろう」と話していた。そんな折、縁あって文京区白山のシェアスペース「アップサイクルサロン白山倉庫」を知り、「ご縁と勢いで」事業を立ち上げたという。

 アトリエの一室を借り、小学1年生から中学3年生対象のフリースクール「ふくろうの部屋」を開設。勝二さんは「大人数が苦手な子もいるはず。小さな部屋なので、勉強する場であると同時に、その子の居場所になれたら」と話す。1日最大4人の受け入れで、完全個別対応だ。最初に保護者と本人と一週間のスケジュールを決めるので、オリジナルなカリキュラムになる。水曜日以外、週4日通え、1日だけでも、半日でも、その子に合わせた通い方ができる。「近くの公園で運動タイムも取れるし、大好きな図工をたまに入れ、不安な算数を多めになど、個別に丁寧に気持ちに寄り添った対応をします」。小学1年生から通えるのも特徴の一つだ。

 もう一つの柱は、子ども向けの工作ワークショップを開催する「キノコひろば」。月1~2回開催してきた。キャンドルづくり、段ボールで秘密基地づくり、凧づくり、チョークアート……乳幼児から中学生までが参加できる。未就学児は保護者同伴だが、小学生以上は1人でも参加可能だ。金木さんは「年齢を問わず、楽しいことをみつけよう、という趣旨。自由な発想で創造力を使い、異年齢の作品に刺激を受けて進化していく姿が見られる」と話す。緊急事態宣言の発出で5月に予定していた動画クリエイターワークショップは延期になった。しかし6月以降も「雨具をつくろう」「水鉄砲をつくろう」など季節に合ったワークショップが予定されている。詳細はサイトで。

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