JIBUNマガジン 文京区

2016年1月号 vol.6

イクメンと呼ばないで~男37歳、ただいま育休中(5)妻の復帰後冷凍母乳で腕をみがく/泣き方聞き分け深まる絆/ 田村一樹

2016年01月03日 01:46 by Takako-Oikawa
2016年01月03日 01:46 by Takako-Oikawa
 
 12月下旬、シビックセンターで息子の4カ月健診がありました。区内の「4カ月ちゃん」が集合。息子もみんなと同じように成長しているかな~と気になってしまいます。
 順番待ちの間、ほかの子の首すわり確認の様子を見て、驚きました。みんなうつぶせの状態から、両手で体を支えて頭をグイッと持ち上げていたからです。うちの息子はまだぐらぐらしてるし、だいじょうぶかなあ…。やっぱり1カ月後に再健診となりました。妻がおしゃべりしたあるお母さんは、一日に5、6回もうつぶせの練習をさせていたそうで、すごいなと思いました。
 健診では、離乳食や絵本、事故予防、歯の健康についてのミニ講座もありました。特に離乳食は、育休中の私がこれからつくらなければいけないので、とても参考になりました。
 この日は、かかりつけ医で予防接種もあり、いそがしい一日になりました。そのストレスからか息子は翌日、ふだんよりよく泣いて過ごしたのでした。
 
(11月末のお食い初めで用意した料理。歯固めの石を添えた)
 
 11月末に妻が仕事に復帰して約1カ月。平日の日中は私ひとりで息子の世話をしています。
授乳、おむつ換え、抱っこ、絵本の読み聞かせ、散歩…。息子が寝ていたり、一人遊びをしている間に洗濯、掃除、食器洗いなどの家事をこなしていると、自分の自由になる時間はほとんどありません。あっという間に洗濯物を取りこむ時間になっています。

 授乳は、妻が家と職場で搾乳して冷凍保存した母乳を使っています。
息子はしばらく哺乳びんから遠ざかっていたので、最初は飲ませるのにひと苦労でした。哺乳びんをくわえてもうまく吸えない、飲めないから泣く…。一瞬泣きやんだすきにくわえさせ、おもちゃであやすと、やっと吸ってくれました。3日目ぐらいからすんなり飲んでくれるようになり、本当にホッとしました。
 冷凍母乳は、毎朝妻の帰宅予定時間を確認して、その日使うぶんを冷凍室から冷蔵室に移して解凍しておきます。飲ませるときに保存パックから哺乳びんに移し、湯せんして人肌の温度に温めます。泣き出してからあっ、やべ、と気づき、ギャン泣きしつづける息子に「いま作ってるからちょっと待っててね~」と声かけしながら必死に準備することも。妻が毎日がんばって搾乳しているので、母乳を保存パックから哺乳びんに移すときには、一滴もむだにできないぞ、と緊張感が走ります。
 飲み終わって、哺乳びんから口を離したとたん、うえ~んと泣くことがありました。足りないのかも、と妻が言います。区の保健サービスセンターに電話して相談したところ、「足りない可能性が高いですね。月齢からいって200㍉リットル近くあげてもいいかもしれません」。170~180㍉リットルほどあげるようにすると、飲み終わった後にふ~っと満足げになりました。
 哺乳びんで授乳してみてよくわかったのは、母親の直接母乳(直母)のすばらしさです。当たり前ですが、赤ちゃんが飲みたいときに、飲みたい量だけあげられるって、とても合理的です。哺乳びんだと即応できないこともありますし、飲みムラに対応できないこともあります。わが家の場合は、冷凍母乳を使うほかありませんが、息子になるべくストレスを与えないように腕をみがきたいと思います。

 授乳のほか、大きな不安要素だったのが、息子と二人きりでの入浴です。育児本を読み返して手順を確認しました。問題は、私が頭や体を洗っている間、息子がおとなしく待っていてくれるかどうかでした。
 でも、その点についてはまったくの杞憂でした。息子を脱衣所のバウンサーにのせると、ごきげんではありませんか。裸の大人がシャカシャカ、ゴシゴシやっているのを見るのが楽しいようです。私が調子に乗って「ゲッツ!」など一発ギャグをやると、口を開けて笑います。私の体がきれいになったところで息子を浴室に運び、息子の頭と体を洗い、いっしょに湯船に入ります。お風呂からあがったときに妻が帰宅していれば直母で授乳し、帰っていなければ私が授乳します。お乳も飲まずに寝てしまうこともありますが。

 この1カ月の大きな変化といえば、お風呂の後、長時間眠るようになったことです。朝まで1回も起きずに11時間ほど寝ることも多いです。私も妻もまとまった睡眠時間を確保できるようになり、体が楽になりました。

 家事などをしていると、息子はつぶらな瞳で私の動きを追うようになりました。母乳がほしいとき、抱っこしてほしいとき、もっと絵本を読んでほしいとき、で泣き方が違います。息子が私の存在を認識し、求めていることがわかると、応えなきゃ、という気持ちが強くなります。父と子の絆のはじまりでしょうか。


==========
【筆者】
田村一樹(たむら・かずき)
1978年生まれ、福井県出身。会社員。2014年に文京区に転居。同区に住むのは学生時代以来12年ぶり

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