JIBUNマガジン

2018年07月号 vol.36

本を通してつながる!文京区に広がる「まちライブラリー」

2018年07月04日 01:19 by Takako-Oikawa

 本を通して人と人がつながることをめざす「まちライブラリー」が、文京区内でも広がり始めている。個人宅でもカフェでも、大学やオフィスの一角でも、場所がなくても、人が集まる場があれば、「図書館」を始められるそうだ。いったいどういうこと? しかも植樹祭ならぬ「植本(しょくほん)祭」があるという。これは行かない手はないと思い、出かけてみた。

 行き先は本郷2丁目の「HONGO22515」。これまではタケガタハウスだとかヴェルテックオフィスとか呼ばれていた竹形誠司さんのオフィスで、しばしば面白い集まりや飲み会が開かれていて、地域活動家が吸い寄せられるように集う場となっている。最近上階にオフィスを移し、1階をコミュニティースペースとして整備、名前もカッコよく決めたみたい。そんなところへ、本も持たず、手ぶらで恐縮しつつ、出会ったのは竹形さんはじめ5人の地域人だった。

 文京区内における仕掛け人、千駄木在住の尾川宏豪さんがまちライブラリーについて解説してくれた。それぞれが本を持ち寄ってつくる図書館が、まちライブラリー。本にはお薦めの言葉など「オーナーからのメッセージ」を書く。借りた人が感想を書くことだってできる。「まちなかで、本を通じて人と人のつながりをつくろうというコンセプト。本の数が多ければいいわけでなく、持ってきた人、借りた人がつながっていくことがねらい」とのことだ。2008年に、六本木アカデミーヒルズの立ち上げや運営にかかわってきた礒井純充さん(現森記念財団)が提唱し、大阪の自宅をライブラリーにしたのが始まりだという。大阪では市内80カ所にもなって盛り上がっており、関東では横浜に多いが都内はまだ少ないのだとか。

 植本祭は、みんなで本を持ち寄り、本の紹介を通して自己紹介し、互いに知り合いになって、本を本棚に植える、つまり置くというイベント。「来た人同士、顔と名前が一致する関係を作って帰っていく。楽しいでしょ」

 大手シンクタンクに勤めている尾川さんは3年前にまちライブラリーのことを知り、文京区全体をライブラリーにできたらいいなと夢想している。空き家活用講座に参加して、提案もしてみた。まずは自宅を「やねせんライブラリー@千駄木」とし、縁あってこまじいのうちで話したら、やろうという話になって、区内第2号のまちライブラリーが誕生。竹形さんのライブラリーは4カ所目になる。

 開設したいと思ったら、まちライブラリーに登録申請をする。いろいろ相談に乗ってくれるみたいだ。竹形さんは、感想カード、しおりや貸出カード、パンフレット(各100部)やフラッグまでついてくる「いたれりつくせりセット」を購入し、本棚をしつらえて開設にこぎつけた。

 この日の植本祭で植え付けられた本は「スターバックス成功物語」「エンデの遺言」「大往生したけりゃ医療とかかわるな」「救われた団地犬ダン」「これから『正義』の話をしよう」の5冊。それぞれが、本の内容や感想を述べつつ自己紹介。お金について、死について、動物と人との関係、正義の話……。ついつい、みんな熱く語り出す。ひと通り話したらあっという間に時間がたち、それぞれが本への思いをカードに記入して本棚に並べた。

 「植えっぱなしじゃあ、育ちませんよ」と尾川さん。たとえばまちづくりなどテーマを決めて持ち寄るとか、借りていくイベント、語りつくすイベントなど、いろんな取り組みが生まれ、実践されているという。

 この日植えられた本はさっそく、それぞれ借りられてまちへと旅立った。竹形さんの「まちライブラリー@225.street.jp」は、8日ごとの17:00~22:00に開館しているという。詳細は問い合わせを。(敬)

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