JIBUNマガジン 文京区

2015年10月号 vol.3

【子育て】イクメンと呼ばないで~男37歳、ただいま育休中(1)キャリア考え心揺れる/田村一樹

2015年10月01日 01:36 by Takako-Oikawa
2015年10月01日 01:36 by Takako-Oikawa

文京区在住の新米パパが、8月末から育休に入りました。

ママに続いて、ではなく、子どもが生まれた直後から取っています。

育休日記を寄せていただきました。月1回程度のペースで掲載します。10月号では、初回と2回目を掲載します。

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じゅうぶんに眠れない日々が続いています。

生まれたばかりの息子が、夜も2~3時間おきに泣くからです。

眠気とたたかいながらおむつを替え、妻がお乳をあげている間に母乳の不足を補うミルクをつくり、哺乳瓶で授乳し、飲み終わった瓶を煮沸消毒します。これを一晩に3回ほど繰り返すと、外は明るくなっているという具合です。

 

息子は8月下旬、文京区内の病院で産声をあげました。3000グラム弱。私は37歳になる年に第一子を授かりました。

妻は里帰り出産ではなく、義母に産前から応援に来てもらうことにしました。

そして私は、8月末から1年間(予定)の育休に入ったのです。

 

以前から、育休を取るなら長く取ろう、と考えていました。NPO法人ファザーリング・ジャパンの講演などで男性の育休の意義を聞いていましたし、会社でも数カ月の育休(実際は未消化の年休を使うことが多いようですが)を取る男性社員がちらほらいたからです。社会で「男女共同参画」と言われ続け、自分もできることから実践しなければ、という思いもありました。

 

「で、どれだけ取る予定なんだっけ?」と会社の上司(男性)に聞かれたのは今年の春でした。育休の期間によっては、持ち場を変えざるをえないとのこと。組織で働く以上、当然のことと覚悟していましたが、改めて確認されると、自分のキャリアを考え、心が揺れました。

家に持ち帰ったところ、妻は「1年は雇用保険から給付金がもらえるんだから、1年取ってほしい。子どもができたら、仕事は今まで通りってわけにはいかないよ」ときっぱり。妻はふだんから、女性による育児を前提とした「夫の育児参加」や、男性の育児をことさら評価する「イクメン」という言葉じたいおかしい、と言っている人です。そんな妻は士業で働き、雇用保険の対象ではないため、給付金はもらえません。

上司に「1年取らせていただきます」とメールしました。

 

会社の所属部署の部会で、「私事で恐縮ですが、1年間の育休を取らせていただきます」とあいさつすると、女性の同僚から「すばらしい」「頑張って」と温かい言葉をもらいました。一方で男性からは「ふつうは奥さんが取った後に交代で旦那さんが取るケースが多いけど」「第一子で取るのは珍しいよね」などと言われました。私は間違っているんだろうか、と自分の判断に自信が持てなくなりました。

 

これまでに有休もろくに取ったことはなく、育休中は、できれば育児以外の「自己充実」も図ろうと考えていました。家にいる間にどれだけ本が読めるかなあ、と。

でも、そんな甘い考えはすぐに打ち砕かれたのでした。息子におろおろ対応していると、あっという間に一日が過ぎていきます。

 

今はまだ義母が料理や洗濯、掃除をしてくれていますが、義母がまもなく帰り、家事が全部ふりかかってきたら、果たして生活していけるのだろうか……。大いに不安なこのごろです。(2015/9/15)

     ◇

縁あって、こちらで育休日記を書かせていただく機会を得ました。育児のあいまに、ぼちぼちつづっていければ、と思います。ご意見、アドバイス、大歓迎です。

 

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【筆者】

田村一樹(たむら・かずき)

1978年生まれ、福井県出身。会社員。2014年に文京区に転居。同区に住むのは学生時代以来12年ぶり

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