JIBUNマガジン 文京区

2022年04月号 vol.81

本の郷で書店オーナーになってみませんか?「シェア型書店本郷(ほんのさと)BOOK BRIDGE」5月6日に本格オープン

2022年05月03日 16:02 by Takako-Oikawa
2022年05月03日 16:02 by Takako-Oikawa

近ごろめっきり本屋さんが減ってしまった。そうだ、みんなでシェアする本屋さんをやろう――。吉祥寺BOOK MANSION西日暮里BOOK APARTMENTのように、棚貸しの本屋さんが登場しているのを見て、自分もやろうと思い立ったのが、本郷で編集プロダクションを経営する日向野和男さんだ。2021年7月から9月にかけ「本郷三丁目にみんなが本屋さんプロジェクト」という名称でクラウドファンディングをし、44人が支援者となって117万円が集まった。物件探しに難儀していたが、このほどようやく見つかり、「シェア型書店本郷BOOK BRIDGE」を仮オープン。棚を借りる「店子さん」を募集中で、5月6日に本格オープンする。

壱岐坂通りを上り、東洋学園大学の手前を大横丁通りへ入る。ハンバーガー屋さんの隣、とんかつ屋さんの向かいあたりにある間口が狭くて目立たない建物が、小さな本屋さんに様変わりした。約30センチ四方の本棚が70個。これを70組の書店オーナーでシェアして運営するしくみだ。「本郷は『ほんのさと』と読めるじゃないかとある人に言われ、名前にいただいた。ブックブリッジは、本を橋渡しにして人と人とのつながりが生まれればと」と日向野さん。

すでに、ご近所の大月書店のような出版社をはじめ、時代小説作家上田秀人さんのファンがその作品ばかりを並べる「上田書房」、那須塩原市の自然食料理店の店主の著書が並ぶ「天空(てんから)」、話題の本が並ぶ「わだい書房」(これは日向野さんの棚)など、多様な「本屋さん」で棚が埋まりつつある。

「本郷に本屋がないなと。編集プロダクション以外の面白いものをやりたいと思ったときに思いついたのがシェア型書店だった」と日向野さんは言う。出版業界の縮小で、本屋さんの撤退が相次いでいる。「欲しい本はネットで買えるが、本との出あいがない。レコメンデーションでお薦め本が出てきたとしても、同じジャンルの本ばかり」。本屋さんの良さは、ふらりと入って背表紙を眺めているうちに、面白い本と出あうこと。本の表紙に呼ばれるというか、手に取ってへえ、と思う。そんな機会がめっきり減った。

日向野さんの学生時代は大学がロックアウトされ、教授を喫茶店に引っ張ってきて講義を受ける、などということをしていた。哲学を学び、教員をめざしたが挫折。小さな出版社に入った。しかし「上の人とけんかしがちで」、独立。実用書も雑誌も編集を手がけてきた。教育関係が多く、一時期は出版業もやっていた。

今回、シェア型書店の2階に事務所も移転した。「一日店長」も募集しているが、毎日というわけにもいかないので、1階でスタッフが仕事をしつつ店番をする日もあるという。入会金が税込み11000円で、1棚の1カ月の賃料は3300円。「書店オーナーになる楽しみや、コミュニケーションの輪が広がることに価値を感じる方に入居していただきたい」という。入居時に場所は選べるが、公平性を保つため、3カ月ごとに場所をローテーションする。一定の制限はあるが、ジャンルは問わない。本格オープン後も入居者は募集中だ。(敬)

「シェア型書店本郷(ほんのさと)BOOK BRIDGE」文京区本郷2-30-9

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