JIBUNマガジン 文京区

2021年11月号 vol.76

これはチョコか?フルーツか?菓子機械会社とコラボ、製造工程が見られる「メレ・ド・ショコラ」オープン

2021年11月14日 22:35 by Takako-Oikawa

イチゴ、バナナ、キウイ。一口食べると、香りも酸味もフルーツそのもの。でも口の中で濃厚な舌触りのチョコレートに変化。これはチョコか? フルーツか? ハテナマークが頭にぐるぐる。

フリーズドライのフルーツにチョコレートを浸み込ませた新感覚のチョコレートの店「メレ・ド・ショコラ」本店が10月、文京区西片1丁目にオープンした。白山通り沿い、文化シヤツターと紳士服のコナカの間あたりだ。

隣がガラス張りで中にピカピカの機械がいくつも並んでいる。「谷沢菓機工業株式会社」と書いてある。ここで、チョコレートを作る工程が見られる。

ホワイトチョコを機械で溶かして液状にする。フリーズドライしたフルーツをチョコに浸した状態にし、真空にする機械にかけて数十秒。チョコがフルーツに浸み込む。遠心分離機で余分なチョコレートをそぎ落として、冷やして固めて出来上がり。フルーツがチョコレートになる製造工程が間近で見られる。「夢だったショールームです」と、チョコレート製造機器メーカー、谷沢菓機工業の谷沢修次さんは言う。

「思いがけず、夢のまた夢だった路面店が誕生しました」と、メレ・ド・ショコラを展開するチョコグラフィ株式会社社長の柳澤一嘉さんは言う。「チョコレート製造機械メーカーと、チョコレートメーカーのコラボでの店頭実演販売は世界初」と胸を張る。

 

夢は、創業100年以上の老舗メーカーの「三代目」同士のご縁から実現した。谷沢菓機工業は文京区西片で1916(大正5)年、米菓機械メーカーとして創業した。三代目社長の谷沢さんは生まれも育ちも西片。1964年の東京五輪の際、道路拡張により、本店も工場も埼玉県戸田市に移転した。当初はだんごをはじめとする製餅や和菓子の製造機械を作っていたが、1980年からチョコレート製造機械の製作販売を始めた。1990年にはクランチチョコ成型機を発売し、「国内外でクランチチョコレートの大ブーム」を起こしたという。

1912(大正元)年創業のチョコレートメーカー、ハンター製菓の三代目社長だった柳澤一嘉さんは、谷沢さんとは長い付き合いがあった。3年前に代替わりし、チョコグラフィの社長として、新たなチョコレートブランドづくりに専念。素材にチョコレートを浸み込ませる「含浸チョコレート」、特にフリーズドライのフルーツの含浸チョコに特化したブランドづくりに力を入れてきた。それがメレ・ド・ショコラだ。これまでは百貨店の催事での出展が中心だったが、この度、実店舗が実現した。

「含浸チョコレート」の機械は2003年に世に出た。「しみチョコブームを作ったのがこの機械です」。谷沢さんは様々な分野の技術展を見るのが好きで、鋳物の内部に開いた小さな穴を埋めたり、木材に防腐剤を浸み込ませたりする真空含浸の技術を見て、菓子にも応用できるのではないかとひらめいた。チョコレートを素材に浸み込ませる機械を開発して柳澤さんの会社に持ち込み、商品開発に協力してきた。

「ラスクとかおかきとか、いろいろな素材にチョコレートを浸み込ませてみました」と柳澤さん。行きついたのがフルーツ。「フルーツと名がつくのはなんでもやってみよう」。フルーツの風味を生かし、くちどけがよいチョコレートについても研究を重ね、オリジナルブランドのメレ・ド・ショコラが誕生した。イチゴ、リンゴ、ミカン、パイン、キウイ、マンゴー、メロン。「オカシな果実&」をキャッチコピーに売り出し中だ。

ピンクの文字や店舗デザインが、ちょっぴり地味な白山通りに明るく華やかな雰囲気をもたらす。柳澤さんは「東京のど真ん中でも子どもからお年寄りまで幅広い層が住んでいるまちだとわかった。地域の人に、よりおいしいもの、珍しいものを提供していきたい」と話している。(敬)

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