JIBUNマガジン

2021年07月号 vol.72

ご近所さんの訪問で育児の悩みを軽減/豊島区のホームスタートわくわく

2021年07月16日 10:46 by Takako-Oikawa

 子育ての悩みを分かち合える人や、ちょっとした情報や言葉がけがあれば、子育ての負担は軽くなるのに――。そんな風に思ったことはないだろうか。ご近所の子育ての先輩が訪問し、子育て中の人の話を聞いてくれたり、育児家事や外出を一緒にしてくれたりするイギリス発の家庭訪問型子育て支援ボランティア、「ホームスタート」の取り組みが、豊島区で5年を迎えた。母体は子ども食堂の先駆的取り組みで知られるNPO法人豊島子どもWAKUWAKUネットワーク。理事でホームスタートわくわくオーガナイザーの荒砥悦子さんは「同じ目線でいてくれる近所のおせっかいおばちゃんみたいな存在です」と話す。

子育てひろばで親子と話す荒砥さん

 ホームスタートはイギリスで1970年代に3児の母が始めた子育て家庭の訪問ボランティア活動で、日本では2009年にNPO法人ホームスタート・ジャパンが発足した。荒砥さんは自らの子育てで「世間話ができるお友だちみたいな人がいたら」と感じていたため、ホームスタート・ジャパンの活動を知って「これだ」と思った。2016年、豊島子どもWAKUWAKUネットワークで始めた当初からかかわっている。「ママ友が多くても悩みを話せない人はいるし、実家を頼れない人もいる。訪問では、テレビ番組の話題とか近所の小児科やお店の話とか、他愛のない話から、同じ目線で寄り添いながら話を聴くことができる」。専門家の助言が欲しいときもあるけれど、子育ての先輩の「それでいいよ、大丈夫」の一言で気が楽になる場合もある。

 荒砥さんらスタッフは、豊島区の区民ひろば南大塚で開いている子育てひろばに出向き「ひろばでホームスタート」という活動もしている。ひろばのスタッフとして毎週木曜日11時~12時、利用者の親子に対応しながら、ホームスタートも紹介する。「訪問してくれるんですか」と驚く利用者もいる。「ひろばに来られない親子もいるはず。切羽詰まっているとどこかへ出かけたり、助けてと声を上げたりすることが難しい。パンフレットを配って活動を知らせることにも力を入れている」と荒砥さん。2020年から区の補助事業となり、区役所の相談窓口や母子保健を担う保健所にもパンフレットが置いてあり、職員が親子に薦めてくれる場合もある。

 スタッフは7日間の研修を受けた地域の子育て経験者で、守秘義務が課され、話を聴くことに徹する。乳幼児または妊婦さんがいる家庭が対象で、週1回2時間程度、計4~6回訪問。利用料は無料だ。保育や家事代行はしないが、沐浴や寝かしつけ、授乳や食事の手伝いを利用者と一緒にすることはある。買い物や散歩の同行など外出の付き添いもする。男性のボランティアもおり、子どもの外遊びの付き添いやパパへの訪問もする。

オーガナイザーの加藤さん

 荒砥さんと共にオーガナイザーを務める加藤佳代子さんは、子どもができてから仕事を辞めて子育てに専念し、転勤族の夫と各地を転々とした。「知り合いが誰もいない転居先で早々に子どもが熱を出しうろたえていたら、ご近所さんが助けてくれた。そんなときテレビでホームスタートの活動を知り、携帯のメモに入れてずっと心にとめていた」という。子育ても一段落し、引っ越してきた豊島区で活動に加わった。「いい活動だと思っている」という。

 利用は随時募集している。申し込み、問い合わせは電話(080-4711-8840)またはメール(hswakuwaku@gmail.com)で。訪問ボランティアも募集している。(敬)

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