JIBUNマガジン

2021年06月号 vol.71

バラも美しいけど水道の歴史も面白い/本郷給水所公苑

2021年06月15日 01:18 by Takako-Oikawa

歩道橋のような階段を上っていくと、そこは別世界だった。バラの花が咲き乱れ、遊具があり、林があり、池がある。周囲を高い柵で囲まれた本郷2丁目の本郷給水所公苑は、階段を上らないと見えない花と緑のパラダイスだ。

東京都水道局が管理する給水所の半地下の水槽の上部に盛り土をして1977年に造成された。公苑の足の下には都民の水がめが埋まっている。大事な施設だから、物々しい雰囲気の高い柵で囲まれているのだろう。

苑内にはバラで有名な洋風庭園があり、パーゴラ(つる棚)や彫刻、なぜか大きな地球儀もある。端には遊具もあって、小さい子が遊んでいる。

和風庭園は武蔵野をイメージしているという。菖蒲の生えた沼があり、木道の途中で親子がザリガニ釣りに興じていた。

そこを通り抜けると雑木林とせせらぎがある。道案内をするかのような鳩らしき鳥の彫刻が、あちこちにある。

公苑の東南、和風庭園の一角に、江戸時代の神田上水が復原展示されている。説明板などによれば、神田上水は、神田川の水を、現在の江戸川橋付近の大洗堰で取水し、小石川後楽園あたりから地下の石樋を通り、途中で神田川の上を掛樋で通して神田や日本橋方面へ給水していた。日本における最初の上水道と言われているそうだ。

内寸は上幅150センチ、下幅120センチ、高さ120~150センチだという。大きな石の水路を見ながら江戸時代初期に思いを馳せる。実はお隣に東京都水道歴史館があり、この復原遺構は同歴史館の野外展示施設なのだという。

公苑から離れるが、近所の元町公園の向かいの神田川のほとりに、神田上水掛樋跡という碑がある。ここから川の上に樋を通して向こう岸に給水していたらしい。

地図もあったのでイメージしやすい。江戸時代の水事情、水道の歴史に興味がわく。

それにしても、なぜ公園ではなく公苑なのか。公園と公苑の違いは何か。次の宿題としよう。(敬)

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