JIBUNマガジン

2020年06月号 vol.59

緊急事態宣言明け、昨夏リニューアルの六義公園をのぞいてみた

2020年06月18日 08:51 by inaba_yoko

本駒込六丁目に、都立文化財9庭園の一つ、「六義園」がある。五代将軍・徳川綱吉の時代に、川越藩主・柳澤吉保が元禄15(1702)年に和歌の趣味を基調に築園した大名庭園で、園内には「和歌の浦」の景勝、和歌に詠まれた名勝、中国古典の景観をなぞらえた建物や橋や岩、水流、道が数えきれないほどある。

だが現代では、特に正門近くの枝垂れ桜や多種のつつじを目当てに訪れる人も多い。正門の外は、100mくらい列ができる。今年は、花々は一般には公開されなかった。残念。もし今年、距離を開けて列をつくったら、300mくらいの長蛇になるのは間違いなかっただろう。

(2017年、塀に沿ってできていた行列)

六義園の魅力はたくさんある資料に譲って、今回は隣接する六義公園を取材。文京プレーパークもここで開催されている。

庭園も公園も、同じ煉瓦塀に囲まれている。柳澤吉保、岩崎彌太郎、東京都へと、庭園の所有、管理が移っていくなかで、作られた煉瓦塀も、歴史的建造物として残されているという。今では、庭園は都、公園は文京区が管理している。煉瓦塀の中、約10万平方メートルのうち、8万8千平方メートルが庭園で、その南東に隣接して1万2千平方メートルを公園が占める。煉瓦塀に造られた6つの門はみな同じような造りだ。

六義公園の所在施設である六義公園運動場は、区立中学校の運動会や野球の試合でよく使われるが、こじんまりして、緑が多く、門の構えも他と同じ、よくある運動場とは少し趣が違う。少年野球の試合だって、大きなホームランが出ると、打球は勢いよく飛んでいったかと思うと、庭園のうっそうとした森に吸い込まれて行き、二度と手にすることはできない(と思われる)。

六義公園は、今からおよそ70年前の昭和52年に開園した。一昨年11月から、約9か月かけてリニューアルされ、昨年2019年8月16日に再オープンした。リニューアル後どのように変わったか。

中央にダイナミックな「アスレチック」が2つ。大きい子が楽しめる3階建てのものと、小さい子が安心してあそべる小ぶりなもの。この日は月曜日で来園者は少なかったが、アスレチックには結構親子が集まっていた。

(2019年9月のじゃぶじゃぶ池)

どこの公園にも、あると子どもたちが目を輝かす「じゃぶじゃぶ池」。庭園側に沿ってかなり広いのだが、今年は新型コロナウイルスの感染を予防するため水が張られない。浅いが池の底になるコンクリがかえって暑そうにみえる。でもいつかは子どもたちの歓声が水しぶきと共に戻るだろう。

入口からみて中央右手に「芝生広場」があり、今は育成期間中。これも楽しみに待つものの一つ。小さい子の親子連れは、多くが「砂場」で遊んでいた。ゆったりとした4台の「ブランコ」も人気だ。

特に嬉しいと思ったのは、「土場(つちば)」。いわゆる「どろんこひろば」になる。運動場と六義園に隣接、入口から見て一番奥になるのか。この日は平日で一人しか遊んでいなかったが、以前目にしたときは、超人気なあそび場だった。泥んこまみれになっても、水道が設置されていて洗い落とせる。落としてはまた泥んこになり、もう、たまらないだろうな。

もう一つ気に入ったものが、鉄でできたバスケットボールのゴール。高校生か大学生か、大勢の若者がボールを持ってやってきて、ゴールに向かって次々とシュート、ジャンプ。40代くらいの男性の姿もある。若者がおしゃべりだけの目的ではなく公園を訪れたくなる、そんな遊具があるのは、この公園リニューアルにかかわった人のセンスの良さだろう。

以上、遊具はほかにもあるが、代表的なものを挙げた。リニューアルのコンセプトは、広い空間、緑の確保、異年齢が集い、多種多様な遊びができる公園作り、とのこと。

煉瓦の塀のこの一角は、どこもとても背が高く太い木がいっぱい。訪れた日は真夏日の天気で33度だったが、木々を渡る風や、もしかしたら六義園の池を渡る風も影響しているのか、日陰にいると涼しくて爽やかだ。ローラースケートの練習をする親子、バドミントンを楽しむ親子、ベビーカーをゆするお母さん、17時を過ぎても立ち去る様子はなかった(夏場は19時まで開園)。(稲葉洋子)

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