JIBUNマガジン

2019年05月号 vol.46

学生4人が運営する古民家レンタルスペース!/根津2丁目の「ねづくりや」

2019年05月04日 18:54 by inaba_yoko

根津に、4人の学生さんが住む古民家シェアハウスで、ギャラリーやイベントスペースとしても使える「ねづくりや」ができた。「まちライブラリー」のひとつにもなっていて、毎週金曜日に「やねせんまちライブラリー@ねづくりや」は開かれる(まちライブラリーについての記事はこちら)。

4月5日の金曜日に、「ねづくりや」を訪れた。不忍通り根津小学校の交差点を上野方面に向かって左に曲がり、二つ目の曲がり角、右手に、「ねづくりや」はある。開店して間もないため、看板はまだない。

間口の広い建物で、もともと煙草屋さんだったそうだ。建物正面左側に大きな販売用の窓が残っている。販売用の窓の横、ガラスの引き戸を開けると広い土間になっていて、以前は雑貨などを置いていたのだろうか、今その土間の本棚がまちライブラリーになっている。

机の上にも本が並ぶ。本は、すべて学生さんたちのもちものや寄贈本だった。

片倉まりなさんに建物の案内をしてもらい、お話を伺った。

土間を上がるとちゃぶ台のある部屋があり、押し入れの奥の壁が抜かれていて、隣の部屋に通じている。

その押し入れ通路を抜けて隣の部屋に入ると、小さなボードが目に止まった。

「よく、旅館の入口に、○○ご一行様、って書いてあるじゃないですか。そこから発想しました」と片倉さんはいう。いやいや、ほとんどの人が、あの「○○ご一行様」の表示より、このボードがはるかに温かみがあり嬉しいだろう。

さて、「ねづくりや」って「どんな店」なのかしら。

4人は、もともと「チェルシー・ハウス国分寺」という学生寮の仲間。3年前その寮を管理している不動産屋さんから、「根津におもしろい物件があるからリノベーションを手伝ってくれないか」と持ちかけられた。国分寺の学生寮は、いろいろな大学の学生が住んでいたが、ニューヨークにあるチェルシーホテルをまねて作られた寮で、同じようにアート系の学生も多かったからだ。最初に声を掛けられたのは、武蔵野美術大学の大学院生の鶴元怜一郎さん。

民泊の宿にできたらと言われていたが、物件はとても住める状態ではなく、傷みや汚れがひどかった。「お手伝いのスタッフを募ったら、興味を持った人がたくさん手伝ってくれ、畳の張り替え、壁にはペンキの塗り直しと、みんなで楽しみながらリノベーションした」という。その後は、民泊の宿として使っていたが、法律が変わり、条件が満たせないようになってしまった。

そこで住民として住む話になった。鶴元さんは、大学院のキャンパスが市ヶ谷になるため、丁度、学校に近いところに引っ越したいと思っていた。明治大学の学生だった片倉さんに、鶴元さんからシェアの声掛けをした。他に、早稲田大学の金光良太さん、明治大学の白神かさねさんも加わり、この4人で「ねづくりや」はスタートした。

今は1階の部屋を、写真撮影や食事会など、レンタルスペースとして使っているという。

だが、この物件は、オーナーが新しく旅館を建てるまでの限定ということだ。

片倉さんは言う。「期間限定をわかっていても、4人で『ねづくりや』を始めてみると、地域の人とつながり、新しい未知なものが見つかる。食器をもらったり、助けてもらうこともあるし、町のクリエーターさんとの出会いもある。作品をギャラリーに飾ったり、手作りのものを委託販売したりもしていて、若いクリエーターさんを応援できるのも嬉しい」

「また別の場所に移転することがあっても、根津での経験を生かしていきたい。『力だめし』と思っています」。5月12日の「あいそめ市」にも出店する。

家賃や維持費はどうやって生み出しているのか。「レンタルスペースの収入をあてていますが、別でバイトをしたり、4人で均一に供出している」という。

「ねづくりや」にはなんと、裏庭がある。インタビューのあと、4人が鍬や鋤、シャベルを持って庭に集まった。「夏までに畑を耕して野菜を育てたい」と楽しそう。そこへ、近所の子ども達が三々五々集まってきて、いっしょに土を耕す。おにいさんおねえさんたちと話したり遊んだりできるのが嬉しそうだ。場所があり、おたのしみがあり、おにいさんおねえさんが暮らしている。子ども達には大きな魅力なのだろう。(稲葉洋子)

ねづくりや 113-0031東京都文京区根津2-22-9

メール:nezukuriya@gmail.com

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