JIBUNマガジン

2018年12月号 vol.41

【Ibasho(居場所)にはI(愛)がある】/千駄木の谷根千記憶の蔵で「ながやがや!」スタート

2018年12月02日 18:40 by inaba_yoko

千駄木の蔵で11月から隔週水曜日、子育て中のお母さんたちの居場所「ながやがや!」が始まった。開設したのは千駄木在住の安達睦さん。悩み事や困り事を共有し、イベント化して解決する「むつみ製作委員会」委員長という肩書を持つ。幼児と小学1年生を育てるお母さんでもある。午前中はイベント企画や読書会のファシリテーターのお仕事、午後は文京区立汐見小学校のアフタースクールでもスタッフとして活躍している忙しい日常の中で、なぜ「ながやがや!」を作ろうと思ったのか聞いてみた。

 

 

「文京区で悲しい事件が起こった時、私はそのすぐ近くに住んでいました。近くにいたのに、何もできなかった」。近すぎるとわからないことも言えないこともあると感じ、「たとえほかの人と話せなくても、逃げられる場所があって、だれからも責められず、真っ白になっていい、そんな場所があったら」。さらに「地域のつながりができて、相談したかったらできたる場所があれば、不幸なことは減るのではないか」と、活動を始めることを決意した。

 

 

「居場所を作りたい!」

最初は、子育て中のお母さんたちが集えるように、町会会館で居場所作りができないかと動いてみた。町会の会館なら高齢者も集まるし、若いお母さんにとっても高齢の方にとっても、子どもたちにとっても、よい交流の場ができるのではないか。

けれど、住む町内の会館はすでに廃館になっていた。定期的に使える場所がないと居場所の開設はできない。どうしよう。

 

「まず、仲間を探そうと、Facebookで仲間を増やしたり、千石の子育てサロンの中で不動産屋をやっている『子育て不動産』を訪ねてみたり、湯島で町内会の活動をしている若い方から話を聞いたりしました。昨年は東洋大学で開かれた『第3回文京区民版子ども・子育て会議』にも参加するなど、大勢仲間ができて、地域のこともいろいろ知るようになりました」

同時に文京区社会福祉協議会が地域で仲間作りの活動をする団体を支援する、「ふれあいいきいきサロン」という制度があることを知り、「財政的にも助かる」とほっとした。あとは場所だけの問題となった。

 

 

探しているうちに文京区千駄木5丁目の路地の奥にある「蔵」と出会う。正式名称は「谷根千記憶の蔵」。木々に囲まれた静かな場所にあり、管理は、地域雑誌「谷中 根津 千駄木(谷根千)」を発行してきた「谷根千工房」が担っている。安達さんは「隣接した公園ではよく遊んでいたのに、奥のほうにある蔵の存在は見えていなかった」と笑う。景観も気に入ったが蔵の中も居場所にぴったりと思ったそうだ。

 

 

見学した翌月の2018年11月28日、「ながやがや!」はスタートした。「ながやがや!」という名前は安達さんが住んでいる家が、以前長屋だったことと、長屋に住んでいるような関係を作りたいとのことに由来するとのこと。第1回目は、お茶や珈琲などの温かい飲み物が用意されて、子連れのお母さんたちや、この活動に関心を持つ人たちが集まり賑わった。

蔵で開催する以前にも、区内の施設で、小児外科医を招いて、お母さんたちが気軽に心配なことを相談できる会を開いて好評だった。これまで積んできた経験をもとに、蔵でもいろいろな専門家を呼んで、本当のことをきける相談窓口となるプログラムや、おもしろいと思うプログラムをたくさん入れていきたいと考えている。

 

 

「まずは、自分の身近なところから、子育て中のお母さんをターゲットにしていますが、居場所は小学生にも若者にも必要だと思います。蔵を多世代交流の拠点としたい」。そしてそのために「やりたいことを持っている人たちがみんなで作り手となり、お互いに少しだけお金を生み出す、儲けというのではなく、『winwin』の関係でお金の持ち出しのないような仕組みを考えたい」という。

思ったら逸れることなく真っ直ぐぶち当たっていく安達さん。これからも「ながやがや!」の活動が楽しみだ。テーマであるキャッチフレーズは、【<Ibasho(居場所)> には<I>愛がある】。愛のある居場所をめざす。

一つ困っているのは広報。チラシを作っても配布できる場所が文京区には少ない。クチコミやFacebookでの広報が頼りだ。「みなさま、ぜひシェアをお願いします!」とのこと。

HP:むつみ製作委員会 https://623seisakuiinkai.com/

(稲葉洋子)

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