JIBUNマガジン

2018年11月号 vol.40

園児や子どもの遊び場に活用/旧国家公務員宿舎跡が期間限定のひろばに

2018年10月31日 01:26 by Takako-Oikawa

 伝通院の隣にかつて、5階建てのマンションのような建物が、住人の気配のないまま有刺鉄線に囲われてたたずんでいた。何年ぐらい放置されていただろう。クリーム色の壁に、赤みがかったタイル壁のバルコニー。新しそうに見えたが、リフォームしただけで、とても古かったのかもしれない。財務省関係の職員の宿舎だと耳にした。

 建物が壊されて最近、そこが広場になった。人工芝に覆われ、柵に囲われている。自転車置き場もある。平日の午前中は近隣の園庭のない保育園が園児の運動場として使い、午後は子どもや親子が自由に出入りできる。管理は表町(おもてまち)町会。表町広場と呼ばれているそうだ。「なかなか広くて遊べる場所が少ないから貴重だと思う。子どもや親子が結構遊びに来ている」と町会の方は言う。

 土日祝日を含め、8時半から開いていて、夏場は17時半まで、10月~2月までは16時半に閉まる。多くの公園と同様、ボール遊びはダメだ。ペットの散歩はできないし、自転車の乗り入れもタバコを吸うのもダメ。ゴミは持ち帰りだ。殺風景なただのひろばだが、安全ではある。

 ここには区立の児童相談所が建設される予定だ。だから使えるのは着工前の2020年7月ごろまで。期間限定の遊び場だ。

 関係ないことだが、ひろばの隣、伝通院の山門の脇に、石柱がある。今まで気にとめなかったが、教育委員会の看板が立っており、由緒あるものらしい。読めば、石柱は廃寺となった処静院(しょじょういん)の前にあったものだそうだ。なんでも、新選組の前身ともいえる浪士隊が結成された寺なのだとか。その隣の看板には、幕末の琳瑞という僧侶の説明文。浪士の理解者だったが、政治的な動きをしたため、近くの三百坂で刺殺された、とある。

 歴史ある地のひろばで、子どもたちは今日も遊んでいる。(敬)

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