JIBUNマガジン 文京区

2017年05月号 vol.22

【ひと・教育】表現×教育で世界の先端の演劇教育を子どもたちに!文京区拠点の日本グローバル演劇教育協会(GLODEA)設立

2017年05月03日 11:38 by Takako-Oikawa
2017年05月03日 11:38 by Takako-Oikawa
 
 
 「1人、誰か座ってください」「その人からパワーを奪ってください」。ドイツの俳優でフォーラムシアターという演劇手法の第一人者、ウルリッヒ・マイヤー・ホーシュさんの指示に従い、ワークショップ参加者は自ら考えながら表現を工夫していた。2017年4月22日、一般社団法人日本グローバル演劇教育協会(GLODEA)の設立を記念した海外講師によるワークショップの一コマだ。


 終盤は車座になって討論。「パワー、及びパワーを与える、について討論したい」。ウルリッヒさんは「こんな格好で私が教えていたらどう思う?」と、いすに片足をのせてふんぞり返ってみたり、床にじかに座って両手を広げてみたり。参加者は表現法やそれが持つ意味などについて、質問し、議論していた。GLODEA代表理事の別役(べっちゃく)慎司さんは「世界の先端の演劇教育を日本に入れたい」と話す。
 

 別役さんは劇作や俳優訓練トレーナーなどとして活動しており、文京区後楽2丁目で貸しスタジオ「スタジオフェザー」を運営している。英国留学経験があり、世界の演劇教育に触れる中で、日本の演劇教育に欠けているものが見えてきたという。「人と人とのコミュニケーションが不足しており、体験ができていない。演劇はおおいに役立つはず」と話す。特に、子どものころから演劇の手法を学んでおけば、プレゼン力や自分の感情を表現する力が身に付くという。Express(表現)とEducation(教育)を組み合わせた造語「Expreducation(イクスプレデュケーション)」を編み出し、普及させていきたいという。
 

 具体的には、子どもたちがゲーム形式で楽しみながら学べるシアターゲームや、問題解決力を上げていけるフォーラムシアターの手法を、学校の中に入れることや、観客参加型の児童劇などを通して、コミュニケーション力を高めていきたい意向だ。「そのためには教える側が足りない。講師の養成もしていきたい」
 

 協会設立イベントでは、こども教育家交流パーティーも実施。文京区内外から、様々な立場から子どもの教育や演劇教育に携わる人が集まった。GLODEAではすでにb-lab(文京区青少年プラザ)でもワークショップ開催の実績があり、今後は全国に向けてセミナーや交流会を実施していくそうだ。会員も募集中。詳細はサイトなどで。

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