JIBUNマガジン 文京区

2017年1月号 vol.18

【JIBUNテレビ・まち】文京区新たな公共プロジェクトは先進モデル?ソーシャル・イノベーション・フォーラムで総括

2017年01月02日 20:56 by Takako-Oikawa
2017年01月02日 20:56 by Takako-Oikawa

 「協働・協治」を自治の理念とする文京区では、新たな公共の担い手を増やし、育てていこうと、2013年度から3年間、「新たな公共プロジェクト」に取り組んだ。その結果、延べ約3000人が講座やイベントに参加し、50以上の活動の開始のきっかけや活動継続につながったという。その成果の検証や活動の紹介・交流をした文京ソーシャル・イノベーション・フォーラムが文京区民センターで2016年12月11日に開かれた。

 新たな公共プロジェクトでは、対話の機会や講座を通して地域課題を知り、仲間と知り合う機会をつくったほか、社会起業アクション・ラーニング講座や、メンターがついてアドバイスしながら事業実践をサポートするプロジェクト支援などを実施してきた。その結果、子育て中の親のエンパワメント事業「子育てKitchen」や、地域密着型の学童保育「ツリー・アンド・ツリー」、高校生チャリティ起業体験「まじプロ」など多彩な活動や事業が生まれた。

 講座などの参加者の年代は30代、40代が多いのも特徴だった。かかわった区職員の意識も協働へ前向きに変化するなどの成果も得られた。プロジェクト事務局で株式会社エンパブリック代表の広石拓司さんによれば、協働のプロセスが整ったこと、事業成果だけでなく、協働プロセスを重視する取り組みが成果としてあげられるという。一方で、継続的に公共サービスを提供する状況にまでは至らなかったこと、既存の町会、NPOや企業と、新たな公共の担い手とのつながりが十分でないこと、新しい成果指標を定める必要性などが課題として挙げられた。

 「多様な参画としくみづくりをしたところに成果がある」と新たな公共プロジェクト成果検証会議の委員長だった東京都市大学環境学部教授の佐藤真久さんは指摘する。資源投入(インプット)したら、結果を出せ(アウトプット)という世の中で、プロセスそのものに配慮しながら、回転させていく「スループット」の側面が非常に画期的であるとのことだ。

 プロジェクトを立ち上げる前の専門家会議からかかわってきた慶應義塾大学特別招聘准教授の井上英之さんは「上(行政)からこういう事業を、と募集しても担い手は現れない。そうでないやり方、1人のつぶやきが共感を集め、様々な特技を持つ支援者に出会い、システム変化につながる、そういうプロセスが見えたことは大きな成果。世界的にも新しい」と評価した。成果検証会議委員を務めたNPO法人風のやすみば代表の加藤良彦さんは「若い人が活動に参加してきたのが驚きであり、大変な実績だと思う。続けていくことが課題であり、それができれば文京区の文化になる」と話していた。

 JIBUNテレビで、佐藤真久さんと井上英之さんに、新たな公共プロジェクトの成果について詳しく聞いた。

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