JIBUNマガジン

2016年07月号 vol.12

【まち・シェア空間】70代で3度目の起業!杉並・まちの縁がわ「なかまの家」代表の浅沼幸子さん

2016年07月02日 21:47 by Takako-Oikawa
 
 通りに面していないし、どの駅からも徒歩10分以上。杉並区の静かな住宅街にある、ごくごく普通の一軒家が「まちの縁がわ なかまの家」。知る人ぞ知る、まちの交流スペースだ。ここを任されている団体の代表は、70歳を何歳か過ぎている浅沼幸子さん。「実は、3度目の起業なんですよ」と笑う。
 
左端が浅沼さん

 「なかまの家」は2013年10月オープン。1階にキッチンとダイニングがあり、週3回、ランチを食べたり、お茶を飲んだりできるほか、2階の2部屋を教室や会議などに貸し出している。スケッチやコーラス、ハンドケアやフットケアといった趣味や健康に関する教室やプログラムも開かれている。
 
 そればかりでなく、介護や子育ての相談にのり、買い物や庭の草取りのお手伝いや話し相手もする。誰もが出入り自由の「居場所」であり、気軽な「相談窓口」であり、暮らしの中のちょっとした困りごとの手助けをする「ほっとサービス」という三つの機能を持つ、現代の「縁側」だ。
 
これでワンコイン!杉並区産の野菜を中心に使う

 運営の中心になっているのは、訪問介護事業所のヘルパーを定年で卒業した70歳代の女性たち。約10人でローテーションを組んで働いている。メニューはみんなで相談して決め、野菜はメンバーの畑で獲れたものなど、杉並区産を中心に使う。小さな庭にはジャガイモを植え、夏はゴーヤーのカーテンもつくって日差しを和らげる。
 
ダイニングは小さな庭に面している

 浅沼さんはこれまでに3つの事業立ち上げにかかわった。一つ目は、生活クラブ生協で活動していた30年ほど前のこと。自分たちで出資し、運営・管理する働く人たちの協同組合「ワーカーズ」を始めるというので、加わった。「ワーカーズって何?」という状態だったが、弁当づくりや配食サービスをするグループを立ち上げた。「お弁当や配食サービスが今ほど盛んでなかった時代でしたね」

 しかし、自身はそれよりずっと前、子どもが3歳のときに義父が倒れて介護を5年間経験したため、高齢者介護をやりたいと思っていた。そんな折、生活クラブ運動グループが「アビリティクラブたすけあい」を立ち上げ、自立援助サービスを行うワーカーズが各自治体で誕生した。
 
 杉並区にも「たすけあいワーカーズ」を作ろうという話が持ち上がり、1996年、「たすけあいワーカーズさざんか」立ち上げに参加した。任意団体で細々と運営していたが、2000年介護保険制度開始とともに基準該当事業者として参入、翌年NPO法人格を取得し、介護保険指定事業者となった。
 
 そこで16年、ヘルパーとして活動し、68歳で辞めて、「悠々自適の生活をしようと思っていた」ところに、「なかまの家」立ち上げの話があり、代表に担ぎ出されたという。
 
2階の貸室

 「なかまの家」はもともと空き家で、オーナーが「地域のために役立つ場所にしたい」と安い家賃で貸してくれているそうだ。とはいえ、事業として回していかなければならない。親団体から家賃補助が出ていたが、それもこの夏に終了。ローテの人員を少なくし、貸スペース事業を充実させるなどの工夫で、なんとか乗り切れそうだという。
 
 メンバーの報酬は、時給にすると200円。「お金じゃない。自分たちの楽しみのため。元気でいられることが一番」と、代表の浅沼さんは若々しい笑顔で話す。実際、ランチを作ったあと、ハンドベルの音に似たトーンチャイム教室に参加するなど、やりがいや生き甲斐を感じているそうだ。
 
常連さんや、わざわざ訪ねて食べに来る人も

 キッチン開催日は月・水・金の10時~16時(祝祭日は休み)。日替わりランチは500円、コーヒー、紅茶、ケーキ各200円。貸室は2時間1000円。
 問い合わせは電話03-5930-6140、メール(engawa.nakamanoie@outlook.jp)
 〒166-0016 杉並区成田西4-8-23

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