今春、文京区では認可保育園が5カ所(うち1園は認定こども園)新設されたが、それでも入れない人が続出しており、親たちが認可保育園増設を求めて3月、電子と紙による署名活動を行い、4月、文京区に提出した。署名した親の1人は「他区の認証保育園(認可外)になんとか滑り込んだが、来春はまた保活をしなければならない。今春の状況を見ると、再び入れないのではないかと心配なので、増設をしてほしい」と話す。
認可保育園は2016年4月現在、文京区内に私立公立合わせて55園あり、定員は約千人。2月に発表された1次募集の結果で、認可園に申し込んだものの、希望者が多いために保護者の就労状況などの選考が行われた結果、500人近くが「不承諾」となった。中でも特に0~2歳児クラスの希望者が多く、不承諾となったのは700人近く。これはすべて待機児童になるわけではなく、認可外園や、認可外のうち東京都が補助金を出している認証園、保育ママなどに預けられるケースもある。さらに今年度から礫川公園内に0~3歳児62人定員の春日臨時保育所が開設され、不承諾となった人の受け皿となることが期待されていた。
ところが、フルタイムでさえ、区内の認可保育園にすべて不承諾となった人が続出。育休延長で対応できる人はいいが、延長ができない1歳児や、募集枠の少ない2歳児クラスで落ちた人の中には退職する人も出てきた。
そうした中、不承諾となった複数の親が発起人となり、認可保育園増設を求める署名活動が3月に始まった。活動する親の1人によれば、お茶の水女子大学に開設された認定こども園は、入園をめざす人が他区からも殺到し、茗荷谷近辺で認可保育園に入りにくくなっている原因の一つになっているという。文京区内では、認証園の認可化がすすめられた結果、認可外の園が数園になってしまったため、待機児童の受け皿が減ってしまった。他区の認証園は「区民優先」を掲げており、来年も継続して在園できる保障はないという。
署名では、認可園を増やす緊急対策を求めており、具体策として、臨時保育所の開設、小規模保育、グループ保育の拡大などのほか、シビックセンターでの保育所開設なども提案している。400人以上の署名が集まったという。4月6日、区に提出。発起人の一人は、「保育園の数が足りないのだから、緊急対策でぜひ増やしてほしい」と話している。
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