JIBUNマガジン 文京区

2015年11月号 vol.4

【子育て】イクメンと呼ばないで~男37歳ただいま育休中(3)苦労ふっとぶ「オハヨ」/妻は復帰、保活に恐々/田村一樹

2015年11月03日 12:24 by Takako-Oikawa
2015年11月03日 12:24 by Takako-Oikawa
 肌寒くなってきた10月下旬の午後、息子と妻と3人で近所のクリニックに出かけました。2カ月を過ぎた息子に、初めて予防接種を受けさせるためです。
 「定期」二つと「任意」二つの計四つ。妻は、重い副反応がどれくらいの確率で起きるのか、小さい体に四つも同時に打って大丈夫なのか、心配そうです。お医者さんにたずねると、ワクチンの効果と副反応についてひとつずつ丁寧に説明してくれ、それなら、と納得のうえで同時接種することにしました。
妻に抑えられ、両腕と左太ももに注射。顔を真っ赤にして、ウギャーッ、ウギャーッ。よくがんばったね!
 

 この1カ月で、息子は目に見えて成長しました。
 うれしかったのは、言葉らしきものを発するようになったこと。学生時代の友人に「これは絶対読むから」と生まれる前にプレゼントされた絵本「もこ もこもこ」(谷川俊太郎・作、元永定正・絵)を日課のように読み聞かせていたら、ある日、絵本の一節、「ふんわ ふんわ」をまねるようになったのです。それから、朝のきげんのいいときに「おはよう」と話しかけると、「オハヨ」(外人さんみたいに前にアクセント。空耳?)と返してくれます。
 「あ、言ってる言ってる!」と妻といっしょに喜べる時間は、とても幸せです。うんちのついた服を浴室で洗ったり、泣きやまない息子を抱っこしつづけたり、といった日ごろの苦労もふっとびます。次は何ができるようになるんだろう。成長が楽しみです。
 
 
 そろそろ、来年4月の保育園入園の申し込み時期。私たちはというと、遅ればせながら出生直後の9月から保活を始めました。「認可」「認証」「認可外」の違いや、入園選考の「点数」の意味もわからないところからのスタートでした。
 育休ありきで考えていました。まず育休を1年取って、その後に保育園に入れようと。でも、「年度途中から入れるのは厳しいよ」といろんな人から言われ、0歳児での4月入園をめざすことにしました。
 保活では常識なのでしょうが、みなさん出産前から動いていることに驚きました。のんきな私たち夫婦は、出産後のことに思い至りませんでした。
9月初めから、近所の保育園に電話をかけました。すると認証保育園は「すでに30~40名が登録しています」「第一段階の選考は終わりました」。ううっ。世間でよく言われる待機児童問題が、初めて自分のこととして迫ってきました。
 妻の体調がまだ万全でなかったので、私ひとりで認可保育園を見学して回りました。ある保育園では、3人のお母さんといっしょの見学。私は「写真撮ってもいいですか」と言うのが精いっぱいでしたが、ほかのお母さん方は、「トイレトレーニングはどのようにしていますか」「冷凍母乳は預かってもらえますか」「かかりつけ医は?」とつぎつぎ的確な質問をされていて、気後れしてしまいました。

 認可保育園の選考時の「点数」については、区の保育課に電話して聞いたのですが、いまひとつ要領を得ません。家庭訪問の助産師さんに聞くと、「窓口に行けば丁寧に教えてくれますよ」。行ってみたら、実際その通りでした。我が家の点数は26点で当落のボーダーであるとのこと。新設される保育園も含め、申し込む園の候補を教えてもらいました。「詳しくは区報の11月10日号でご案内します」

 10月になると、妻もだいぶ回復してきたので、息子と3人で、認証と認可1カ所ずつ見学に行きました。夫婦そろって見学に行けるのも育休のメリットでしょうか。私と妻で目につくところが違いますし、情報を共有したうえで話しあいができます。
 
 
 (ベビーカーを見に訪れた商業施設で、おむつを交換する)

 妻は今月、私よりひとあし早く職場復帰する予定です。
 先日、三輪のベビーカーが届きました。妻いわく、すでに2台のベビーカーを持っているあるママさんが、第2子出産を控えてそれに買いかえた、とブログに書いていたそうです。お店で試乗し、購入を決めました。これまでほぼ毎日、抱っこひもを使って散歩していましたが、ベビーカーで行動の幅が広がりそうです。

 保活や予防接種などやるべきことはやりつつ、息子とできるだけ外に出かけ、今しかできない経験を楽しめれば、と思っています。
(2015/11/1)

==========
【筆者】
田村一樹(たむら・かずき)
1978年生まれ、福井県出身。会社員。2014年に文京区に転居。同区に住むのは学生時代以来12年ぶり

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